2009年08月03日

かもめの再出発

退院後もいろいろ悩んだ末に、私の鍼灸の師匠であるN先生を訪ねました。

人生の恩人の1人です。

いちどブログでも紹介したことがありました。(→N先生とボクシング

これからのことを相談するためと、今後、定期的に先生の治療を受けたいと思ったのです。


久しぶりの先生は相変わらずの筋骨隆々で、今でもスポーツジムで鍛えているようでした。



治療後にいろいろ話してくれました。

N先生 「病院でいろいろ言われたようだが、僕の診るかぎり君の心臓はそんなに悪くない。

     もっと自分を信じ、自信を持ちなさい。

     治療室を閉めるなんて弱気を出しちゃダメだ。

     何のために今まで東洋医学をやってきたんだ?

     西洋医学がすべてじゃないことは君自身よく知っているはずじゃないか。

     自分がやっている東洋医学を信じて体をケアしていけば必ず続けていけるから、

     心配しないで道を進みなさい。」



厳しくも温かい言葉でした。


胸の奥深くから、何かフツフツと熱く湧き上がるものを感じ、モヤモヤした霧が晴れてゆくような気がしました。

いつかは先生のようになりたいと目標にしてきた私ですが、追いつくどころかこれでは差が開いてしまっていますね。(笑)

治療に戻られる先生の後姿がとても大きくみえました。


帰り際、ふと掲示板を見ると先生の手書きの『お知らせ』が貼ってありました。


還暦を過ぎ、さすがに私も体力の衰えを隠せません。

勝手ではありますが、

毎週火曜日の午後は休診とさせていただきますので、よろしく。



おもわず吹き出してしまいました。

鉄人N先生もやはり人の子だったのです。(笑)

気持ちがうんと軽くなりました。




私も週1日は午後休診日を作り、夜の治療はやめることにしました。

それに合わせ、開業以来ずっと据え置いてきた治療費を少し上げさせていただこうと思います。


仕事は減らしますが治療スタイルは変更したくありませんので、なんとか患者さんに理解をいただき、細く長く現役でいたいと思います。


かもめの再出発ですわーい(嬉しい顔)

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posted by かもめ at 18:45| 🌁| Comment(3) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月30日

かもめ、2度目のダウン

久しぶりの更新です。

あ〜ぁ、またやってしまいました。

2度目の入院です

3年前は心膜炎でした (緊急入院顛末記)が、今回はランクがひとつアップして心筋炎。(うれしくないランクアップ。笑)

常在ウィルスが心筋層まで入り込んで炎症を起こしてしまいました。




やはり胸痛が出現。

前回の経験があったので軽めのうちに処置を受けたほうがいいかな、そんな感じでした。

本人はその日のうちに帰るつもりで車を運転して行ったのですが、結局10日間も入院するハメになってしまいました。。もうやだ〜(悲しい顔)



主治医 「心筋炎の再発というのはほとんどありませんが、

     再発した場合には厄介なケースになることが多いんです。

     今ここで不整脈が来たら危険な状態になりますよ。」

かもめ 「…… がく〜(落胆した顔)

主治医 「今後も再発を繰り返すと、将来、人工心肺をつけての生活になりかねません。
     
     今後のこと、よほど考えないといけませんよ、生活全般。」

かもめ 「ハァ……。」

主治医 「とりあえずは(心電図の)脈波が(正常に)戻るまでは安静ですからね。」


それから3日間はベッドから降りることの許されない生活。


前回に比べ、ショックはかなり大きいものがありました。

自分なりにいろいろ気をつけてやってきたつもりでした。

昼休みはきちんと取り、夜も早めに帰り、疲れを溜めないように心がけてやってきたつもりでした。

普段は人並み以上に健康で、検診でも悪いところはなく、仕事がら医学的知識も少しあり、3年前の勇み足(と、思っていた)以来、なお一層注意を払って自分なりに予防を心がけてきたつもりでした。


すべては”つもり、つもり”の独りよがりに過ぎなかった。


こうなったら、仕事を減らさねばならない、それも大幅に。

しかし体は楽になっても経営は楽でなくなる。(冗談言ってる場合じゃない。笑)

テナントを借りている以上、固定経費がズシリと重くのしかかってくるし…。

(まだまだ子どもにかかるしなぁ。)

思い切って治療室を閉めて、身軽になって出張専門で仕事を半減させることも検討しようか…。


毎日、ベッドの上でこれからのことをあれこれ考えていました。

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posted by かもめ at 17:06| ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月01日

ことばのご褒美

ときどき腰痛の治療に来られるNさん。

この頃は幼稚園に通う娘も連れてくることが多い。

おかあさん似で大きなクリクリした目がとってもカワイイ子。わーい(嬉しい顔)



そのAちゃん、先日いきなりこんなことを私に…。

「せんせい、どこにもいかないでね。」

「エッ?…どうして?」

「だって、おかぁさんがね、せんせいがいなくなったら、こまるって。」

お母さんも大爆笑。^^)

思わずAちゃんの頭をなでなでしてしまいました。(笑)

言葉のごほうびを胸に、これからもがんばります!


ところで!

2週間が経過した「緑のカーテン」メンバー、きゅうちゃん(キュウリ)・ゴーヤ君・フヨウちゃん(酔芙蓉)です。

090601緑のカーテン2.jpg


結構大きくなったでしょう。昨日からきゅうちゃんには花が咲きました。

よく見ると花の根元にかわいい実が…。わーい(嬉しい顔)

090601緑のカーテン3.jpg

近所の保育園の子ども達も気になるらしく、毎日のぞきこんだり触ったりしてゆきます。

かもめも子どものようにワクワクしながら見守っています。^^)

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posted by かもめ at 19:27| ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月18日

緑のカーテン(1)

何気なくテレビを見ていたら「緑のカーテン」というのをやっていた。

緑のカーテンというのは、夏の強い日差しをつる性の植物の葉っぱで遮って省エネ・エコに役立てようというもの。

特にゴーヤ(にがうり)がいいとのこと。

「これだ!!」 ひらめき

温暖化の影響(?)でこの数年、治療室の夏の午後はエアコンがアップアップの状況。

うまくゆけば一石二鳥が狙える。

エアコンの買い替え不要になるし、ゴーヤが採れる。わーい(嬉しい顔)

わが家ではけっこうゴーヤが食卓に登るのである。


妻に相談したところ、翌々日にはゴーヤの苗を2鉢買ってきた。(早っ!)

緑のカーテン1.jpg

「今年の夏はゴーヤ買わなくていいね、これで!」

(オィオィ、狸の皮算用されても困るんだけどなぁ。)



我が家の猫額庭(笑)ではたまにミニトマトやオクラ、絹さやなどを妻が栽培しているがはっきり言って買ってきたほうが安いくらいの収穫量。

ゴーヤも一度チャレンジしたがまともに成長してくれたのが1本だけだったような記憶が…。


そのうえきゅうりの苗まで2鉢。↓

緑のカーテン5.jpg

「きゅうりもつる性だからどうせやるなら一緒にやろうよ。」

「まぁ、そりゃそうだけど…。(もう半分、家庭菜園。わーい(嬉しい顔)




おまけに酔芙蓉(すいふよう)まで2鉢買っていた。(笑)↓

緑のカーテン6.jpg

「あれ?芙蓉はつる性だっけ?木じゃなかったかなぁ?」

「そう?つるだと思ったんだけど…。でもいいじゃない。緑一色より芙蓉があると色が綺麗よ。」

(あのなぁ、緑のカーテンの趣旨から少し外れる気がするんだけどなぁ。)

と思いつつも、

(案外それもいいかも。
夕方まで咲いているし、緑のカーテンの中で白からピンクへと妖艶に変化してゆく酔芙蓉がけっこう絵になるかも…。わーい(嬉しい顔)


ということで、「治療室の緑のカーテン作戦」スタート。

まずは苗をプランターに植え付け、倒れないようにポールを立て、這わせるためのネットを張り巡らせました。

緑のカーテン8.jpg

素人園芸家のかもめ。

いったいどんなことになるのやら…。^^)

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posted by かもめ at 20:14| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月06日

かもめのゴールデンウィーク

GWもいつも通りに診療。
特別働き者というのでは決してなく、単に開設以来の恒例です。(笑)

唯一家族で出かけたのが熱海のハーブ&ローズガーデン。
5月末か6月上旬が見ごろなのですが、とても混雑していました。

あとは毎日、世界卓球のTV観戦。
息子は横浜アリーナまで応援に行ったようです。
日本卓球界に続々と有望な選手が出てきましたね。

とくに松平健太(卓球界のマツケン?)水谷隼、吉田海偉、石川佳純などの活躍は素晴らしかった。
今後が楽しみ〜。
卓球王国復活できるかもしれませんね。


テニスはお休み中なので、今のうちにと思いフォークギターの修理をすることにしました。

実は先月、弦を張り替えようとしたらボーンナットが割れてしまったのです。

ボーンナットというのはピーンと張った弦を乗せて支えている小さな板状の部品ですが、めったに割れるものではありません。
長い歳月が徐々に劣化させていたのでしょう。

楽器店で相談したところ、とっくの昔に販売終了したギターなので同じ部品は無く、それに近いサイズのものを紙ヤスリで削って作るしかないとのこと。

めったに弾くこともなくなっていたのですが、この機会にいろいろ手直しをしてみようかという気になったのです。

ネックにも少し反りが出てきているのでその調整と、もともと少し弦高傾向なのでブリッジも少し削ってみることにしました。
ネックが反ったり、弦高だと弦を押さえるのに力が要って、指が痛くなるのです。

ネックの反り調整は六角レンチでまぁ簡単にできましたが、大変だったのがボーンナットとブリッジの紙ヤスリ調整。

もう二度とやりたくありません。(笑)

とにかく硬くて削れないのです。1ミリ2ミリがなかなか削れない。

ボーンナットのボーンは骨の意味。
昔は象牙を使っていたらしいのですが、今は禁止になっていますので牛などを使っているようです。
弦の強い張力に耐えるための硬さと音のクリアさを出すためらしいです。

あまりの硬さに途中で完全にへこたれました。
専門の業者を探して修理を頼むしかないか…。
しかし、30年前に35,000円で買ったギターも、今は多分値もつかぬ骨董品クラス。(笑)
高いリペア料金払ってまで修理する価値があるかなぁ…。

悩んでいるうち、ハッと閃きました。ひらめき

そうでした、私にはグラインダーがあったのです!
普段はハリの研磨に使っていますが、砥石を替えれば削れるかもしれない。

試行錯誤、悪戦苦闘の末になんとかやり遂げることができました。
マニアやプロの中にはこれを手作業でやっている方もいるそうで、それだけで尊敬してしまいます!


すべてを調整し、弦を新しく張り替え、チューニングを終えてドキドキしながら、シャララ〜ンるんるん

思った以上に美しい音を発してくれました。
うれしかったですねぇ。
弦高も改善され弾きやすくなりました。


再生なった我が愛器、ヤマハFG−351Bの勇姿です!(そんな叫ぶほどでもないか。笑)

ギター 1.jpg

後姿まで見せちゃいますね。

ギター 2.jpg

今では珍しい3Pタイプ、つまり裏板が3枚で貼り合わせてあるのです。
この後姿がカッコよくて買ったのです。(動機が素人。笑)
引退の淵からなんとか甦ってくれた我が愛器。
これからはときどき弾いてあげて、ずっと大切にしていこうと思います。^^)

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posted by かもめ at 15:42| ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月25日

合格おめでとう!

以前、紹介したH君。→ガンバレ、H君!

久しぶりに治療にこられましたが、見事に国家試験に合格したそうです!わーい(嬉しい顔)

結果は3月に発表されていたはずなので、少し心配していたのです。

まさか、こっちから電話して聞くのもはばかられたので…。

いろいろ忙しかったようです。

就職も決まって、千葉県内の整骨院に勤めることになったと、本当に嬉しそうでした。

病気を克服し、鍼灸・マッサージ師としての第一歩を踏み出したH君。

くれぐれも体に気をつけて頑張ってください、応援しています。^^)



ところで、我が娘も志望校にアッパレ合格!わーい(嬉しい顔)

たまたま入学式が休診日だったので、妻と2人で参加できました。

これまで子供たちの入学式・卒業式にはほとんど出たことがなかったので、とても感激しました。

今までは歩いて10分ほどの中学校だったのが、高校は1時間かかります。(自転車20分、電車20分、徒歩20分)

しかも授業は7時40分からスタートということで、早起きに慣れるまではきついかもしれませんが、寝坊しないでがんばってね。



めでたい話ついでに、めでたくないのもひとつ。(笑)

実は私かもめは現在、テニスを休んでリハビリ中。

3月に練習中、脚にケガをしまして…。ふらふら

自分ではそんなに無理をしたつもりはないのですが、サイドに逃げてゆくボールに飛びついた瞬間に右脚に激痛が走りました。

その時は大したことはないかな、と思っていましたが予想以上に回復に時間がかかっています。

どうも2ヶ所痛めたようで、自己診断ですがハムストリングの筋膜損傷と内転筋腱付着部の部分剥離と思います。^^;)

肘や手首の痛みもあり、あ〜ぁ、自分で思うほど体はもう若くないんだなぁ。もうやだ〜(悲しい顔)

今後、ウィンブルドンはあきらめて () 細く長く楽しむテニスをこころがけたいと思います。

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posted by かもめ at 10:07| 🌁| Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月03日

ガンバレ、お義父さん!!

2月28日は私の55回目の誕生日でした。

1週間まえから秋田の実家に帰ったきりの妻を待ちつつ、娘と2人でちょっぴり寂しく迎えたバースディ。もうやだ〜(悲しい顔)

家出した訳ではありません。(笑)
お父さんが風邪をこじらせて入院したのです。

肺炎を起こし、肺に水が溜まっている状態。
高齢のため、(満90歳、偶然私と同じ誕生日) ひょっとすると危ないかも…、とのお姉さんからの電話で、父に会いに北国へ向かったのです。

やはり居ないと妻のありがたみをヒシヒシと感じますねぇ〜。(オッと失言!居るときも感謝していますだ。爆)

でも、うれしい収穫がありました。
今まで自分からは何にもしなかった娘が、いろいろ家事をやってくれています。

昨日なんか「ハイ、これ、明日の弁当のおかず作っておいたから、忘れずに持って行ってね。」だって…。
これがうちのあの娘かぁ!涙が出そうでしたよ。わーい(嬉しい顔)


私はお義父さんの人柄が好きです。

ホントに無口な人で、自分からはあまりものを言わない方で、会社でも家でもただ黙々と働いている方なのです。

不肖な私にも一度たりとも説教めいたことは言いませんでした。

たまに会っても

よぐきたねぇ。(よく来てくれたね)」とか、
どんだぎゃ?(どうですか?)」、
まんず、ちゃこのんでたんせ。(まずはお茶でもどうぞ)」

くらいで、あんまり会話が弾まない方です。(笑)

ですが、目はいつも優しく笑っているような、穏やかな雰囲気があるのです。



25年前、妻との結婚をお願いに行った日のことです。

一応、許しはいただいたもののその後の会話がなかなか盛り上がらなくて困っていたら、お義母さんがお酒を出してくれたのです。

飲んでも無口さは変わらぬお父さん。

私もその頃はあんまりしゃべるのは得意でなかったものですから、盃が進んでも一向に話が盛り上がらない。

まんず、一杯のんでたんせ。」
「はぁ、どうも、いただきます。」
「おとうさんも、どうぞ。」
はぁ、んだすか。(はぁ、そうですか)」

こんな調子で時間は過ぎて行き…。


会話が無いからお酌のペースがけっこう速かったようで、あまり強くない私は不覚にもダウンしてしまった。
気がつくと布団の中…。がく〜(落胆した顔)(トホホ)

ふと横を見ると、なんとお父さんも布団で寝かされていました。(爆)



今になって考えると、私のために自分もダウンしてくれたんじゃないかなって思います。

そんな方なんです。

結婚した後になってお父さんの無口は性格から来るものとわかりましたので、一緒に飲むときも気を遣わずに済むようになりましたが、あの日は、気に入ってくれないから口をきいてくれないのかと…。

それでつい、オーバーペースにはまったのでした。(笑)


そんなお父さんが豹変するときがあることを後々になって妻から聞きました。

プロレス中継です。

昔、プロレス中継がゴールデンタイムを独占していた時期がありました。

力道山、ジャイアント馬場、吉村道明などがデストロイヤーや鉄の爪エリックなどと死闘を繰り広げていたころです。(この話に乗れる方はけっこう人生の先輩たちですね。笑)

妻いわく、いつもの物静かなお父さんがテレビに向かってこぶしを振りかざし、大声を出し、興奮するのよ、と。


一度でいいからその場面に遭遇したいなぁ、と思いながらもついにチャンスに恵まれなかったわけです。

それが早くわかっていればプロレス談義で盛り上げれば、あんな失態をしないで済んだのに…。(笑)


お父さんの枕元であの当時のプロレス中継の音声でも流したら、途端に体にパワーが戻ってきてくれないかなぁ。(不謹慎もの!って怒られそう。^^)

ガンバレ、おとうさん!!




追記

3月6日、お義父さんは90年の人生に幕を引きました。合掌。

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2009年02月07日

ラッキーガール(娘の受験)

受験生がいる家庭では、家族が気遣ってテレビの音量を落としたり、などと聞くが我が家の受験生は全くもってマイペースのよう。
本人いわく、塾では真面目にやっているからこれでいいのだそうで…。^^;

その塾だが、中3生になると親も大変。
特に秋ごろからは、娘が『ハイ、これ、塾からお手紙』と封筒を持ってくるたびに『ドキッ!』

冬期講習だ、正月特訓だ、全県模試だ、直前講習だ、独自対策補習だのと、次々と請求書が…。(ヒェー!がく〜(落胆した顔)

3年になってからの塾の総額を計算していたら、娘がのぞきこんで何してんの…、と聞く。

「これが4月からお前の塾にかかったお金」

「スゴ〜イ!」

横にいた妻が

「塾に行かせてもらえるのも、お父さんが一生懸命働いてくれてるからよ。感謝しなさい。」

と言うと、親指を立てて

「ウォッス!!」

「もう少し女の子らしい感謝の言葉はないの?」
「じゃぁ、」
そういうと私のほっぺに“チュッ”とやって、

「どうも、あんがと!」だって。(笑)


思い起こせば、出産時に仮死状態で生まれてきた娘

小学校高学年の頃に反抗期で私にぶたれた娘。

中学生になったらどんなになってしまうのか、学校でいじめにあわないか心配だった娘。

まぁなんとか曲がらずに成長してくれているし、一応オヤジを毛嫌いせず“チュッ”をしてくれたんだから、よしとしよう!わーい(嬉しい顔)

いよいよ試験間近。

いかにのんびり屋さんでも、きっと緊張と不安で胸いっぱいでしょう。

でも大丈夫!

君はこの世に生まれ出るときに大きな試練をくぐりぬけて来たラッキーガール

あれがお前にとって第1の関門だったとすると、今回は第2関門かな?

でも、あのときの大変さに比べたら今回はどうってことないさ。

自分なりに懸命に続けてきた娘の努力をお父さんもお母さんもちゃんと知っているよ。
だから、自分を信じて、もっている力を全部出せば必ず合格するよ。
だってお前は、ラッキーガールなんだから…。


体調に気をつけて、くれぐれもお父さんのようなホロ苦受験にならないようにネ!^^)

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posted by かもめ at 21:55| ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月02日

かもめの資格試験

受験の季節〜!
わが家の娘にも本番が刻々と迫っていますが、睡眠不足とは無縁の生活…。
緊迫感がないというか、マイペースなのか…。(笑)

H君が鍼灸の国家試験に合格するよう祈りながら16年前の自分自身の試験を思い出してしまいました。

現在、鍼師、灸師免許は厚労省の大臣免許ですが、私が受験のころは都道府県の知事免許で試験日程も2日間でした。

1日目が学科試験、2日目が口頭試問と実技試験。(今は学科試験のみ)


1日目は順調だったのですが、2日目は最悪の体調で臨むことになってしまったのです。
うかつにも風邪を引いてしまったようで、時間の経過とともにつらくなり、口頭試問が終わった頃には全身悪寒が襲ってきました。

実技試験までの待ち時間のなんと長かったことか…。^^;
やっと試験官に呼び出された時には強い寒気で震えが来ていました。

実技試験の内容はいたってシンプルで、もぐさをひねって(親指と人差し指でもぐさを転がして米粒の半分くらいの円錐状に形を整えること)それを立て、線香で火を点ける。

それを決められた時間内に手際よくこなす、という試験。

そのあとにハリの実技。

実際に試験官の腕や脚に打ち、一連の動作や消毒などもチェックされるというものです。

(現在、実技試験は在学中に学校が実施するので資格試験は学科だけなのです。)


試験官の前で実技をするというのはケッコーなプレッシャーがあるわけですが、よほどヘマをしない限りは形式的な面が強く、“実技で落ちた”なんてことになると、本人はもとより、学校としても“かなりの恥”みたいなもんだったのです。

その“かなりの恥”をやらかすかも知れない状況に追い込まれていました。

なにせ、もぐさをひねろうにも、ハリを打とうにも、体に震えが来ているため指も思い通りにならない。

担当の試験官はなんか怖そうな感じの先生で、なおのことドギマギして、あせるほどに指に汗をかいてうまく円錐状になってくれない。もうやだ〜(悲しい顔)

やっと作って立てようとすると倒れたり、指にくっついてきてしまったり…。

ハリも片手挿管法といって、鍼管(ハリを打つときに使う細長い管)に片手だけでハリをセットするのですが、いつものようにスポッ!と入らない。

過去に先輩が試験官の前で鍼管を落としてしまい、実技試験が不合格になった話などが思い出されて、頭の中は真っ白〜!がく〜(落胆した顔)


悪戦苦闘のうちに、半分も力を出せないまま、タイムアップとなったのでした。ふらふら

(仕方ないや、秋に頑張ろう…。)

その頃は春に失敗した人にもう1回秋に再チャレンジのチャンスがもらえたのです。

(あ〜ぁ、それにしても実技で落ちたなんて学校中の笑いもんだよなぁ〜、トホホ。)



「ずいぶんと緊張していたね。」と、試験官。


「ハイ、スミマセン…。」うなだれるかもめ。

「ホントは上手にできるんだろ?私も昔はあがり症でねェ、試験のときは君とおんなじだったよ。……資格を取ったら初心を忘れず頑張んなさいよ。」
そう言って、ニッコリ笑ってくれた。わーい(嬉しい顔)

私はその先生の温情で合格をもらったようなものだった。(あぁ、恥ずかしい。)

H君だけでなく、全国の受験生の皆さん!
体調に気をつけて実力で(笑)合格を勝ち取ってくださいネ。^^)

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2009年01月25日

ガンバレ、H君!

ときどき治療を受けにくるH君は鍼灸学校の3年生。

本来は2年前に卒業していた筈で、つまり2回の留年を経験している。

彼との出会いは3年半前。
彼が通う学校では『臨床体験実習』という科目があり、治療院で実際に治療を体験しレポートを提出するというもの。
その体験先に彼が選んだのが『かもめ針灸治療室』。わーい(嬉しい顔)


その時の印象。

かなりの汗かきで、落ち着きのない学生だなぁ、という感じ。
夏だったので汗のことをさほど気にも留めていなかったが、翌年の春にまた治療を受けたいと電話があった。

やはり大汗たらーっ(汗)をかいて、落ち着きのなさが気になった。
そのときに留年してしまったことを彼の口から聞いた。
どうにも点数が取れないこと、勉強に集中できないことなどを話してくれた。
そのとき気がついた、ひょっとすると…。

専門の病院で検査をしてもらった結果、やはりバセドー病(甲状腺機能亢進症)だった。

バセドー病というのは、ノドぼとけの横にある甲状腺から出るホルモンが多すぎて体の新陳代謝が過剰になる病気。

症状としては頻脈(脈が速いこと)、体温上昇、食欲の異常増進、体重減少、のどの渇き、多汗、眼球突出、ノドぼとけ付近の腫れ、など。

さっそく病院での薬物療法と鍼灸治療を開始。
少しずつ症状は改善してきていたが、昨春もあと少しのところで卒業できなかった。


「実家に帰り家族と今後のことを相談してみます…。」

そう話す彼はさすがに落ち込んでいた。

「病気のつらさを知っている君は、患者さんの痛み、苦しみがよくわかる筈。将来きっといい治療者になれると思う。だから、もう1年頑張ろうよ。」

そう励ました。

H君は現在、卒業と資格試験合格をめざし頑張っている。

100以上あった脈拍も最近では70台で落ち着き、汗も少なくなり、集中力も出てきたという。

試験日まであと1ヶ月!

ガンバレ、H君!

そういえば私にも鍼灸師の資格試験でほろ苦い経験があったっけ。
今となっては懐かしいエピソードが…。
それは次回で…。(引っぱってどうする!笑)

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2009年01月04日

あけましておめでとうございます!

丑のイラスト.gif

今年も牛歩のごとく

マイペースなんだモー〜!

皆さん、どんな年末年始をお過ごしでしょうか?
かもめはというと、大晦日の午前中まで仕事でしたが、明けて新年はいたってのんびりと過ごさせていただいております。
娘が高校受験を控え、正月も塾の特訓があるので親も自宅でゆったりです。わーい(嬉しい顔)

元旦は家族揃って近くの加茂神社に初詣。
ここは900年の歴史を持つ由緒ある神社なのですが、どういうわけか毎年貸しきり状態で参拝客は我々だけ…?不思議なほど静寂…。

箱根駅伝.bmp2日、3日は例年のごとく、箱根駅伝の応援。
自宅から自転車飛ばすと10分で行けるので、テレビを見ながら「そろそろ来るぞ〜っ!」
てな具合に飛んでゆけるのです。

東洋大、やりましたねェ。(拍手)
5区を走った柏原君、1年生なのに山登り、よく頑張りました。
笑った時の口元が誰かに似てるなぁ、と思ったら、…我が息子だった。(笑)

今日はテニスの初打ち。
実は半月前に右指を痛めて、(多分、手根管の腱だと思うが)まだ完全じゃないのです。
痛みが走るようなら、無理せず途中で止めようと思います。
車のドアを閉めようとドアポケットに指をかけて力を入れた瞬間に、ビリビリーッ、と電気が走ったのです。
あぁ、情けない。ふらふら
2月で55歳だもんね、筋だって硬くもなります。

新年から愚痴ってどうする!(笑)

今年も健康に注意して、マイペースで更新してゆきますので、(てことは今年も月1更新かぁ?)気を長く持ってご訪問くださいね。
皆さんのご健康とご多幸を心からお祈り申し上げます。^^)

2009年1月4日 小田原かもめ



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2008年11月21日

ローズゼラニウム

春に植えたローズゼラニウムが増える、増える……すごい繁殖力!
猫の額のわが家の庭がこのままでは席捲されそうな勢いである。(ちょっと大げさ?)

ローズゼラニウムは一般のゼラニウムとは違い、ハーブの一種で名のとおりバラの甘い香りがします。
指先で葉をつまんで匂いをかぐと上品な芳香が鼻をくすぐる。
そして蚊が寄ってこないハーブだとも店員さんが言うので、それじゃぁと1鉢買って植えたのであった。
それが半年経った今ではこの状態。

ローズゼラニウム2.jpg
刈り取って捨てるのももったいない。
そこで思いついてお風呂に入れてみた。

調べてみたところヨーロッパでは美肌草とも呼ばれているそうで、化粧品の材料にもなっているのだとか…。

お風呂の感想は?
いや〜、実に最高!
市販の入浴剤よりずっといいねぇ。(笑)

茎から切り取ってざっと水洗いしてそのままジャボン。

本格的には煎じたエキスをお風呂に少量いれるらしいが、わが家は豪快に枝のまま入れてしまうという手抜きぶり。(笑)
甘いバラの香りに、お肌はツルツルするし、一石二鳥とはこのことですね。

霜にやられなければずっと入浴剤の原料には困らない?
増えすぎて困っていたのが、使いすぎて根を絶やさないように気をつけなくっちゃ。

蚊のほうの効果は…、あいかわらずたくさん飛び回っています。(爆)

春には小さなピンクの花も咲かせるとのことでそれも楽しみ〜!



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posted by かもめ at 20:34| ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月25日

エンジェルセット

私が鍼灸学校の学生だった頃の話です。

1年間、老人病院 病院 で夜間のアルバイトをしたことがありました。
そこはいわゆる老人ホームなどと異なり、『病院』という名がつくように心身に病気を抱えている高齢者の方々が入院されていました。

4階建ての病院は上の階にゆくほど、重症患者が収容されていました。
初めは3階に配置されましたが、慣れた頃に4階に勤務変更。
そこは閉鎖病棟で、それだけ認知症や精神疾患を抱える患者が多く、毎日いろんなことが起きていました。

そこで働く古参のヘルパーがこんなことを耳打ちしたのです。
「ここの患者は、もう生きてここからは出られない。」
4階と3階を行ったり来たりは出来ても、全快して退院していった人はいないのだと…。
彼らにとってここは 『終の棲家』 だったのです。

この病棟で働きだしてまず感じたのが、ほとんど見舞いの方が来ない、ということでした。
身寄りが無かったり、あってもなかば見捨てられた…、そんな境遇の方が多かったのだと思います。

仕事の内容はオムツ交換、体の清拭、食事介助、その他雑用が沢山ありましたが、慣れてしまえばそんなにツライ仕事とは思いませんでした。
ただ、イヤだったのがひとつだけありました。
夜中に霊安室前の長い廊下を、オムツを載せた台車を押して往復する作業。

これは本当に嫌でしたネ。
非常灯のみの暗い廊下に線香の匂いが漂っていたりすると、もう心臓はバクバクものでした。がく〜(落胆した顔)

実はかもめは大変な恐がり屋。自慢じゃないけど、ハンパじゃありません。
TVで怪談映画の予告編やるでしょ、あれでもうダメ、鳥肌が起きてしまいます!
霊安室前の廊下を通る時の恐怖におののく私の姿が眼に浮かぶようです。(笑)


そんな私にとんでもない事件が…。
ある夜、入院患者が勤務中に亡くなり、看護師から遺体の処置を一緒に手伝うように言われたのです。(エーッ!!)

完全に腰が引けてしまいました。まさかこんなことまでさせられるなんて…。
でも仕事ですから仕方ありません、……覚悟を決めてやりました。
『おくりびと』を観た後ならもう少し前向きに取り組む気になったでしょうが…。(笑)

そのとき看護師が持ってきたのが 『エンジェルセット』 と書かれた白い箱。
ナースステーションの片隅に置いてあるのは知っていましたが、開けてみたことはありませんでした。
蓋を取ると、中には化粧品や爪切り、クシや髭剃りなどが見えます。
(なるほど、そのための道具が入っていたのか…。)
最初は恐る恐るでしたが、看護師さんに教わりながら無我夢中でやりました。

体をきれいに拭き、爪を切り、綿を詰めて、白装束を着せ、最後に髪を梳かして薄化粧を施したあと、霊安室まで運んだのです。
亡くなられたのは70代後半の女性で、認知症がかなり進行し、いろいろ手のかかる方でしたが、髪を整え、薄化粧をしたその顔は昨日までの彼女とは別人のような顔になり、妙なうれしさと温かい思いが湧き上がってきたこと覚えています。

人間、一線を越えると強くなるもんですね。
それ以来、夜の霊安室が平気になりました。わーい(嬉しい顔)
トイレの花子さんは相変わらず観たいとは思いませんが…。(笑)

映画『おくりびと』を観て、あの夜の出来事をまざまざと思い出したのでした。
今となってはいい経験をさせてもらったと感謝しています。^^)

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posted by かもめ at 07:40| ☔| Comment(6) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月03日

「おくりびと」を観ました!

『おくりびと』を観たくて久しぶりに映画館に足を運びました。
おくりびととは、亡くなられた方の体を清め、身支度を整えてあの世に送り出す納棺師のことです。

都会で夢破れ、故郷の山形に戻ってきた元チェロ奏者が、ひょんなことから納棺師になり物語はスタートします。

テーマは重いのですが、不思議な温かさに包まれ、笑いと涙の連続のうちにあっという間に2時間が過ぎてしまいました。
こんないい映画が観れて、とても幸せです。
妻いわく、「ハンカチ、もう1枚持ってくるんだった。」

身近な人を亡くされた経験のある方には、その時の思い出と重なってしまうかもしれませんが、流れた涙の後には清々しい気持ちがこみ上げてくるのではないでしょうか。

人間、死んだら終わり、ではなくて、
死ぬということにも生きていることと同じくらいの意味がある。
思い出は、より凝縮されて、残された人の心で生き続けるのだから…。


そう思わせてくれる映画でした。


脇役陣がまた、みんな素晴らしかったですねぇ〜。

とくに笹野高史さん演じる火葬場のボイラーマンのセリフ。

「こっちとあっちの間には門がある。死ぬということはそこをくぐり抜けていくだけ…。
そのうち向こうで会おうなぁ。」


そう言いながら点火スイッチを押すシーンでは涙腺が壊れてしまいそうでした。(爆)

そして全編を通しバックに流れるチェロの調べ。
荘厳な音色にもすっかり魅せられてしまいました。
チェロっていいですねぇ。
一度弾いてみたいなぁ。わーい(嬉しい顔)

まだ観てない方のため、これ以上はやめておきましょう。(笑)

実はかもめ、一度だけ経験があるのです、おくりびとの…。
といっても、納棺師とではなく看護師の手伝いですが…。
鍼灸学校の学生の時、老人病院で夜間のアルバイトをしていた頃の話です。
その話はいずれまた…。^^)

今日は松竹映画の宣伝マンになってしまいました。(爆)

『おくりびと』←予告編はこちら


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posted by かもめ at 21:10| ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月15日

里帰り(後編)

前編を読む 

翌日は打って変わって朝から大雨。雨
ホテルの窓から雨の日本海を眺めながら、去年の京都旅行以来久しぶりに会う父のことを考えていた。 
入居しているグループホームで、またいろいろ問題を起こしていたのだ。


数年前にスタッフの胸ぐらをつかんでトラブルを起こした父だったが、(← 父の入院)なんと今回は相手を殴ってしまったため警察沙汰になってしまったらしい。がく〜(落胆した顔)
日頃から不穏な言動が目立ち、わがままでいったんキレると自分をコントロールできない状態になるため、施設ではかなり手を焼いていたようだ。
精神病院に強制入院させられる一歩手前までいったが、薬を服用させて少し落ち着いたので当面様子を見てみようということになった。
弟からそれを聞いたとき、安堵の気持ちとともに少し不安を抱いた。
(どんな薬なんだろう、それは…。)


鍼灸学校の学生時代、老人病院で夜勤のアルバイトをしていたことがあった。
仕事の内容はおむつ交換や体の清拭、食事の介助などだった。
そこは閉鎖病棟で、スタッフは全員鍵を持たされた。
高齢者が多く、認知症患者や精神的に不安定な患者もかなりいたため、さまざまな問題行動が毎日のように起きていた。
要注意人物は、手足の束帯をせざるを得ないこともあった。

当然、精神安定剤などの中枢神経系の薬がたくさん使われていた。飲みたがらない人には食事に混ぜて服用させた。
脳に作用する薬というのは劇的な効果があるものです。
そうした薬を飲まされ続けていると、入棟時、あれほど騒いでいた患者が別人のようにおとなしくなってしまうのです。
一日中ボーッと生気のない視線をただよわせる患者、脚がふらついて1人では歩けなくなる人、声をかけても反応が鈍くなり、トロトロと眠ってばかりの老人…。
そうした薬の怖さを目の当たりにする毎日に、重い気持ちを抱えながら仕事をしていた。


弟から病院に入れることになるかもしれないと聞いたとき、病棟の光景がよみがえってきた。
だから薬で様子を見ることになったと聞いたときは、心底ホッとした部分と、どんな薬を使っているのだろう、という思いが交錯したのだ。
久しぶりに会う父が、あの老人病院の虚ろな表情の患者たちと重なって、窓の外の雨にもやもやと浮かび上がっては流れ去ってゆく。


生来の勝気な性格に加え、認知症が始まり、耳が遠くなったために周囲とのコミュニケーションがうまく取れなくなってきているのだろう。
しきりに自宅に帰りたがり、スタッフを困らせることが増えてきたという。
実際、弟が仕事で不在中にもスタッフが根負けして幾度か自宅に連れてきてくれていた。
すると今度は帰りたがらない。
グループホームを出て、家で暮らしたいのだろうが、ひとりで日中生活させるのは危険。
火事を起こしたら取り返しがつかない。
いつまた近所に「おまぇんちのカラスが畑を荒らした!」などと怒鳴り込まないとも限らない。(前科あり。笑)
かといって弟が仕事をやめて付きっきりで面倒を見るわけにもいかない。
それに彼は心臓に持病を抱えている。
兄や私のところで面倒を見ることは環境が大きく変わることになり、本人にはストレスになるだろう。
むしろ病状が悪化する危険性が高いし、なにより受け入れ先がすぐには見つからない。


新潟から車で帰ってきた兄が施設に寄って父を連れてきた頃には雨もあがった。
会ってみると心配していたほどの状況ではなかった。
表情は以前より乏しく、口数が少なく、耳がさらに遠くなっていたが、食欲もあり足元もまぁまぁしっかりしていて杖なしで歩ける状態だった。
飲んでいる薬は、やはり精神安定剤のトランキライザーだった。


夕食や風呂の準備をしている間に父の姿が見えなくなった。
畑に行ってみたが、いたのはカラスだけ。
首輪をつけていないから飼われているカラスではなさそう。(笑)
離れの小屋の中にも見あたらない。不安に駆られて玄関前の長い石段を下りて道路に出てみると、……居た。
ブロック塀の横にしゃがんみ込んで草をむしっている。
声をかけると「草がなぁ〜。」そういってニカッと笑った。わーい(嬉しい顔)
ときに周囲も手に負えなくなる父、家の周りの草をむしる父、墓参りで一心に手を合わせる父、…… ぜんぶ同じ父。


自分が父の立場だったら、どんなふうに暮らすのが一番幸せだろうか。
強制的に病院に入れられて薬でコントロールされて、自分が自分でなくなっていくような人生だけはイヤ。
週一回がダメなら、月一回でもいい、子供たちが迎えに来てくれて一緒に時間を過ごせたら、それがなにより嬉しい。
海の見える丘の上のグループホームで余生を過ごせる、それだけでも幸せ。
息子がときどきでも自宅に連れて帰ってくれ、好物を食べさせてくれる。
外に出たければ外に出られ、散歩をして道の草花を楽しめる。
そうした生活の基盤を少しの薬が維持してくれるのなら、父の幸せのために必要なものなのだ、そう理解し、薬へのわだかまりは消えた。
今の自分には弟の愚痴を聞いてやることぐらいしかできないが、できることなら平穏な日々が続いていってほしい。^^)

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posted by かもめ at 10:12| ☔| Comment(9) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月25日

里帰り(前編)

お盆休みを利用してふるさと秋田に帰ってきました。

目的は2つ。
ひとつは中学の同期会に出席すること、もうひとつは父の様子を見に行くことでした。


かなり久しぶりの里帰りです。
なにせ遠い…。
その日のうちにたどり着くには、小田原を朝5時に出発しなければなりません。

飛行機を使えば早いのでしょうが、妻いわく、
「まだ下の子が中学なんだから、危ないことはやめて。」(航空会社を信用していないようです。笑)

東京から盛岡まで新幹線。新幹線
盛岡から弘前まではハイウェイバス。バス
そしていよいよ五能線に乗って各駅停車の旅。

深浦の海.jpg
前半はりんご畑の風景が続き、後半はうねうねと曲がりくねった海岸線を走る汽車(?)に揺られること2時間半。(電化されていないのでディーゼル汽動車なのです。)

暑く晴れた夏の午後、キラキラと波が光り渡る日本海に、時間を忘れるようでした。



中学時代の3年間を過ごした青森県のF町は、私にとって心のふるさとといえる、特別な想いのあるところです。 → 初恋と海

卒業以来会っていない仲間達に会いに行くには少し勇気が要りました。
転校生の私は彼らにとって、たまたまその時期を一緒に過ごしただけの通りすがりの人間に過ぎないかもしれない…。そのうえ、別れて40年近い歳月。
(ほとんどの人は覚えていないだろうなぁ、自分だってそうなんだから…。)

会場が近づくにつれ、すこし気が重くなってきました。


心配は…、まったく杞憂でした。
みんなとても温かく迎えてくれました。とても嬉しかったです。

初恋の人も参加していました!!
嬉しくて、楽しくて、ビール カラオケ 3次会まで行ってしまいました。わーい(嬉しい顔)

5年前に頂いた集合写真よりずっと若々しく、素敵に年輪を重ねていました。
なにより、温かな家庭を築いて暮らしている様子が感じ取れ、安心しました。
彼女が幸せでいてくれたらもうそれで十分です。
これで思い残すことはありません!(笑)

実は2年前に過労で倒れたとき、
「同期会でひと目会いたかったなぁ。」と、ストレッチャーの上で思ったのでした。
妻に知れたら百叩きの刑かも…アハハ。

「5年後にまたやるから必ず来てね。」と言われましたので、なんとしてもそれまでは生きていたいと思います。(爆)


翌日は打って変わって朝から大雨。雨
ホテルの窓から雨の日本海を眺めながら、去年の京都旅行以来久しぶりに会う父のことを思っていました。 → 父との京都旅行

この春頃から、入居しているグループホームで、またいろいろ問題を起こしていたのです。



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posted by かもめ at 19:07| ☔| Comment(6) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月13日

息子からのプレゼント

久しぶりに我が家に帰った23歳の息子から父の日プレゼントをもらった。

「遅ればせながら、 気持ちだけ。」

そう言いながら差し出したコンビニの袋には、缶ビール1本と小袋入りのつまみが入っていた。

父の日プレゼントにしてはチョットささやかすぎるが、なにしろ貧乏青年なので私にとってはそれなりに感激である。(笑)

彼は都内にアパートを借り、アルバイトで生計を立てながら夢を追っている。

その夢とは……漫画家になること。爆弾



漫画家になりたいと言い出したときはさすがに驚いたが、あまり反対はしなかった。

小さい頃から絵が好きで、ケロッピ(サンリオのカエルのキャラクター)などを毎日飽きもせずに書きまくっていたし、小学生の頃には妹を主人公にしたマンガを描きあげてみせてくれた。

たわいもないストーリーでしたが感心したものです。(将来、売れっ子になったときプレミアがつくかもしれなので取ってあります。爆)

そうはいってもとりたてて絵がうまいわけではなく、作品コンクールで大きな賞を取ることもなく、描くのが好きなだけ、そんな感じの子だった。

だから漫画家になりたいと言い出したときは、
「ウーン、やっぱりそうか。」、そんな気持ちと
「オイオイ本気かよ。」という心配の両方があった。

勉強もスポーツもそんなに好きでなさそうでしたから、
「ま、いいか。やりたいことがはっきりあるんだったら納得するまでやらせよう。」

親も楽観的というか…。笑)



考えてみれば厳しい世界に飛び込んでしまったものだ。

日本のアニメやマンガは評価が高いが、だからといってそれで喰っていけるかどうかは別問題。

プロを目指し、日々ガンバッテいる予備軍はゴマンといる。
絵がうまいだけではダメで、ストーリーを作り、それを展開させる文才、セリフのセンスなども必要。

それに加えて“運…”。



そんなことなど考えると、息子をこんな世界に送り出してよかったのかと、親の気持ちは揺れ惑うが、本人はいたって純粋に突き進んでいるようである。

いろんな面で不器用だが、性格の素直さと意志の強さは親の私をはるかに超えている。

専門学校も新聞配達で学費を稼いで卒業した頑張り屋だから、必ずや夢をかなえるに違いない。



いつの日か、プロデビューしたら発表しますから、皆さん、本買ってくださいね。(爆)

その時には父の日プレゼントのビールはケースでもらうことにしよう。^^)

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posted by かもめ at 18:18| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月02日

初恋と海

中学の同期会開催のハガキが届いた。
今まで幾度か誘いがあったが参加できずにいた。
その地には特別の思い出があったが、どうしても機会に恵まれなかった。


父の仕事で転校が多かった私は、誰一人友人のいない中学へ入学した。
東北、津軽の日本海に面した小さな港町で、卒業までの3年間を過ごすことになった。     
幼少から家庭環境に恵まれず、ついには非行に走りかけていた少年が、その町でひとりの少女に出会い、恋心を覚えた。
彼女に嫌われたくない、よく思われたい、そんな一途な気持ちが少年を立ち直らせた。
彼女に出会わなければ今の自分はなかったかもしれない。
そんな人生の恩人が今もそこに住んでいる。


町は海岸段丘の上にあった。
鉄道が走る1段目と学校が建つ2段目は険しくそそり立つ断崖でさえぎられ、登校はつづら折りの坂道を幾度もスイッチバックしながら上ってゆくしかなかった。
しかし段丘の途中から見下ろす雄大な自然も私の心を癒してくれた。

恋に芽生えた少年は朝早く家を出て、つづら折りの頂上にある手すりから身を乗り出し、上ってくる生徒達の中に少女の姿を探すのがいつしか日課になっていった。

そこからは海岸線に沿ってうねうねと走り来る列車や、白い潮の泡を長く引きながら港へ帰る漁船、それにまとわりつくように飛び交うウミネコの群れなども見えた。
晴れた夏の海は陽光に反射して、無数の魚が海面で飛び跳ねているかのようにキラキラ輝いている。
そんな光景を眺めていると時間を忘れ、心が鎮まっていった。


いただいた5年前の同期会の集合写真で彼女は爽やかに笑っている。
「今回はかならず参加してくださいね。」とでも言っているかのようだ。
昔の面影をわずかに残す微笑みの向こうに、あの夏の海がパノラマのように広がって見えた。

今回はとってもメルヘンチックな文章になってしまいましたァ。^^)

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posted by かもめ at 18:53| ☔| Comment(7) | TrackBack(0) | エッセイ・日々の雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月14日

江ノ島で福を拾う

江ノ電を降り、江ノ島をめざして歩き出してすぐ、男物の黒い財布を拾った。中をのぞくとかなりの金額が入っている。辺りを見回してみる。寒の戻りの冷たい風と、今にも降りだしそうな天候のせいか通行人は少ない。

少しの間、落とし主が探しに来るのを待っていたがその様子もない。じっと立っていると体の芯から冷えてくるので、近くにある交番をめざした。

玄関をあける前にもう一度周囲を見たがそれらしい人はいない。中に入ってカウンター越しに声をかけると奥から中年の警察官が姿を現した。事情を話すとイスをすすめられた。

書類が用意され、拾った時間、場所、私の住所、氏名、電話番号などを聞かれる。ひと通り記入が終わり、「金額を確認しますので一緒にみてください。」と、警官。

万札から始まりカウンターの上に整然と並べられ、金額確認欄に署名を求められた。ときどき、ネコババ警官が問題になるのでその対策なのだろう。

合計金額は10万近くあった。
(落とし主は青くなっているだろうな…。)

それでは、と腰を浮かしかけたが止められた。
「一応、カード類も確認しますので一緒にお願いします。」
(エーッ、カードも?)

家を出たのが昼過ぎだったので、もう2時を回ろうとしている。グズグズしていたら日が暮れてしまう。

そんなことにもお構いなしにカードの確認をゆっくりと始めた。
最近はクレジットカードだけでなくポイントカード類も結構な枚数持っていますよね。それを1枚1枚私に見せて確認しながら書類に記入してゆくんです。そりゃぁ、事が事だけに仕方ありませんが……。(^^;)

ガソリンスタンドのカードを記入しながら、「ここは私も利用してましてね、他よりチョット安いんですよ。」と、おまわりさん。

(そんなことより、カード会社に照会すれば落とし主にすぐに連絡つけられそうなものだろうになぁ。)なんて思いながらも、
「へぇー、そうなんですか。」なんて相槌を打っていると、窓ガラス越しにこちらを覗き込む人影が見えた。

そして中年男性がドアを開け、指差しながら入ってきた。
「あった!それ、わたしのです!」
あとに続いて奥さんらしき女性と2人の子どもが入ってきて、部屋の隅にかたまるように立った。

警官と落とし主の間で本人確認のための質問が始まった。神妙なおももちで答えている父親と横に立っている母親を不安そうに交互に見やる上の娘、3,4歳くらいの下の子は母親の脚にしがみついている。

いろいろ聞かれた後に本人と確認できたようなので、「それじゃ私らは。」と、席を立ったがまたもや止められた。

「あの、まだなにか?」
私も妻も空腹だった。江ノ島に着いたらまず昼食をとり、それから歩き回るつもりでいたのだ。

「拾得物に対する謝礼についての説明をさせていただきます。規則ですので。」

内容を要約すると、拾い主には5〜20%の金額をもらえる権利があるのでどうしますか、ということだった。

「要りません。」

「と、いうことは権利を放棄されるということですか?」

「そうです。」

「いけません、そんな!」と、奥さんが口を挟んだ。

「いいんですよ。困ったときはお互い様ですから。」

「ではその旨を記入していただき、署名をお願いします。」

(やれやれ、また書類か…。面倒なもんだなぁ。)
すべての記入が済んでやっと放免された。(笑)

外に出てみると、先ほどよりさらに風は冷たく、時折ポツンと雨が落ちだしてきた。見上げると暗い鉛色の空をトンビが数羽、風に乗って飛び回っている。

国道下の地下道を抜け、島に続く道を妻と並んで歩き始める。

「ウッカリ財布に変なもの入れておかれないなぁ。」
「変なものって?」
「たとえばキャバクラ嬢の名刺なんかウッカリ入れてたら、それまで書類に書かれちゃうじゃない。」
「あなたの財布にもたまに入っているわけ?」

冗談のつもりだったのに、やぶヘビになってしまった!(笑)

皆さん、かもめはキャバレーなどにはトンと縁がありませんので勘違いしないでくださいね。まぁ、昔、若い頃行ったことはありますが…。(爆)

温かい蕎麦でも食べて早々に引き上げようか、などと話しながら歩いていると
「スミマセ〜ン!」と背後から女性の声。

振り返ると奥さんが息を切らして追いついてきた。
「ホントに助かりました!気持ちだけ受け取ってください!」

一礼するとなにやら白いものを私の手に握らせ、すごい勢いで駆け戻ってゆく。

それは折りたたんだティッシュだった。
開いてみると現金が入れてある。

追いかけようとする私の袖を妻がつかんだ。
「もらってあげたら? 江ノ島で福を拾ったと思って。」

拾った福はまもなく伊勢海老に変身し、私たちはハッピーなランチを頂くことになった。^^)

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2008年03月03日

再会

同期会に出席してきました。
といっても総員6名のミニ同期会。
私が学校を出て初めて就職した会社の同期5人との、本当に久しぶりの再会でした。

会社は某一流メーカーで業界では世界的にも有名です。
国内外に工場や拠点を持っていて、我々は昭和49年春、北九州工場に赴任を命じられた同期生。
34年前の春4月、東京の桜に見送られ、博多行き寝台あさかぜに乗り込んだ6人は、会社の独身寮で青春の一時期をともに過ごした友人でもあります。

実は私は6年くらいでドロップアウトし、秋田に帰ってしまいました。(笑)
それ以来の再会です。

現在の彼らは、副社長だの、工場長だの、関連会社の社長などと出世して活躍中の方ばかり…。
だから、参加しないかと電話があった時、正直迷いました。

「私なんかが出ていいんですか?」
「なに言ってんだ、たった6人の仲間じゃないか。久しぶりに顔を見せに来いよ!みんな元気なうちに会おうよ!」と…。
うれしくて、胸が熱くなりました。

同期会当日は楽しみ半分緊張半分でした。なにせ30年も会っていないわけですから…。
でもやっぱり仲間ですね、握手を交わした途端にそうした不安は吹き飛んでしまいました。

九州での昔話がいろいろ出てきて、まぁ楽しかったです!
次の日が仕事なので1次会で切り上げましたが、これからも時々集まろうじゃないかということになりました。

別れぎわにTさんは
「俺はな、今でもお前の歌をしっかり覚えてんだぞ!」
そう言うと、歌いだしました。

何も残さずに誰かが消えた   寒すぎる都会の夜更けに
窓ガラスやぶって秋の風が   ふるさとを連れてきてくれた
早く家(うち)へ帰りたい   忘れかけていたふるさとだけど
早く家(うち)へ帰りたい   逃げ出してきたふるさとだけど


メロディも歌詞も正確で驚きました。
この私でさえずっと長い間忘れていたこの歌をTさんは覚えていてくれたのです。

あのころ同期の仲間は何かにつけて部屋を訪ねあい、酒を飲んだり、愚痴をこぼしたり、励ましあったりしていました。
そのころフォークソングにはまっていた私の部屋に来るとTさんは、
「何か1曲やってくれ!」と…。
そういえばTさんはこの歌が一番のお気に入りだったのです。

「たまに仲間うちで飲むときも、みんなお前のこと心配してたんだぞぉ。」
私はうれしくて涙が出そうになり、下を向いてしまいました。


仲間と別れた帰りの電車内で、続きの歌詞を長い時間をかけて思い出していました。

早く家(うち)へ帰りたい
                     作詞:佐藤時夫 作曲:菅原昇

何も残さずに誰かが消えた    寒すぎる都会の夜更けに
窓ガラスやぶって秋の風が    ふるさとを連れてきてくれた
早く家(うち)へ帰りたい    忘れかけていたふるさとだけど
早く家(うち)へ帰りたい    逃げ出してきたふるさとだけど

夢を追いかけてきた僕だけど   何もかも失くしてしまった
砂混じりの雨に汚れた僕を    懐かしい声が呼んでいる
早く家(うち)へ帰りたい    忘れかけていたふるさとだけど
早く家(うち)へ帰りたい    逃げ出してきたふるさとだけど

渡り鳥たちが飛んでゆくだろう  夕焼けの空を群れになり
いま僕を乗せて汽車は急ぐ    海鳴りの村へ ふるさとへ
早く家(うち)へ帰りたい    忘れかけていたふるさとだけど
早く家(うち)へ帰りたい    逃げ出してきたふるさとだけど


頭の中で歌詞と曲が一緒にめぐりだすと、あの頃の青春の日々が鮮やかに甦ってきます。

いい気持ちのままに爆睡したせいか、気がつくと電車はとっくに小田原を通過してしまっていました。(笑)

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