2006年12月18日

むち打ち症と鍼灸(2)

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以前こんな患者さんがきました。

「半年前に追突事故にあい、3ヵ月間整形に通い、示談に応じたものの肩こりがひどく、

ときにはめまいや吐き気が出たりするのでハリで治るでしょうか?」

「整形の先生はなんて言ってます?」

「骨には異常ないし、もうむち打ちのほうは良くなってると思うから、

 ときどき肩こりの治療にきなさい、そう言っています。」


示談が成立したとたん治療にかかる費用はすべて自分持ち。

そうしたことも症状をより悪化させていたようでした。

示談というのは大事なポイントになります。

示談成立は損害賠償の権利放棄を意味します。

今後の治療に関しては自己責任で行います、ということですから…。

保険会社は当然のことですが、支出をおさえるために

「一定の治療期間が終了しましたので、そろそろ…。」とか、

「病院のほうの診断でもそろそろいいでしょうと連絡が来ましたから…。」

と、示談をすすめます。


「示談の前なら自動車保険から出してもらえたのに…。」というと、

「ハリ治療は医者の同意がないとできませんし、

整形の先生はその必要は無いと言ってると、

 保険の担当者は話してましたよ。」


担当者の勉強不足なのか、はたまた故意の発言なのかは不明ですが、

この場合患者さんは『被害者』なのですから、最善の医療を受ける権利があります。

損害賠償保険とは読んで字のごとく、

健康保険のように傷病に対して給付すれば良いとするのではなく、

こうむった損害を金銭に代えて賠償するための保険です。


最初は整形で検査や初期治療が必要ですが、経過がパッとしない場合は

医療機関を変えることや、鍼灸、マッサージ、漢方、その他自分の健康を取り戻すために

必要な治療を選択することも当然の権利として存在します。

一日も早く以前の体に戻してもらう権利があるのです。

加害者、保険会社はその義務を負っています。

被害者の意思、気持ちが最優先しますから、もし医師の同意が得られなくても、

保険会社が認めれば鍼灸などの治療費を出してもらえます。


ただ、お金を出してもらうのですから、事前に担当者との相談は当然必要です。

『医師の同意書か診断書があれば使えます。』という前回の言葉は、

示談成立後の保険証を使っての鍼灸治療の場合をさしています。


いろいろ書いてきましたが、結論です。

『示談成立前でも後でも、鍼灸治療は保険を使えます。』

ただ、お金の出どこが違います。

前者は損害賠償保険、後者は医療保険。

そして前者は全額出してもらえます(原則として)が後者は自己負担が発生します。

何となくでも解ってくれましたでしょうか?

実は私も昔、追突事故の加害者になったことがありまして、

何もわからないもんだから保険会社に全部任せていました。

あとで被害者の方に泣かれて困り果てた経験が…。(とほほ。)

結局、高い授業料でした。(笑

交通事故には気をつけましょうね!被害にも、加害にも。^^)


Produced by かもめ針灸治療室








posted by かもめ at 20:46| ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | むち打ち症と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月11日

むち打ち症と鍼灸(1)



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ときどきむち打ち症についての問い合わせがあります。

むち打ち症に限らず、交通事故の後遺症に苦しむ方は多いですね。

長引いた場合は症状のつらさだけでなく、治療にかかる金銭的な面でも苦しみます。

一般的な治療と違うのは、交通事故の場合は加害者、保険会社などがからんできます。

したがって基本的なことを知っておかないと、被害者が不当な苦しみを負うことになりかねません。

その辺のことも書きたいと思います。


問い合わせの内容を整理すると

@鍼灸はむち打ち症に効くの?

A保険は使えるの?

この2つに絞られると思います。


『鍼灸は効くの?』という問いに対しては、

胸を張って「ハイ、効きます!」(別に胸張らなくてもいいのですが…笑)

むち打ち症は鍼灸の得意な分野のひとつです。

むち打ち症に限らず外傷性の後遺症、たとえば手術の傷あとの治りが良くないときや、

関節の捻挫の回復が思わしくないときなどにも、ハリはかなり有効です。

それもなるべく早い段階から始めることが重要です。

(これは私の個人的見解。治りが早いし再発もしにくいからです。)


『保険は使えるの?』については、

「ハイ、医師の同意書か診断書があれば使えます。」

ただし、ここで皆さんに是非知っておいていただきたいことがあります。


むち打ち症をはじめとする交通事故後遺症の保険治療は、

 示談成立前は損害賠償保険(よく自賠責とか任意保険とか聞きますよね、あれです。)

 示談成立後は社会保険(すなわち健康保険証を使っての治療です。)

の根本的な違いをしっかり理解しておくことがとても大切です。

その辺のことは次回にしますね。^^)

ペンの運びが遅くてスミマセン。(ペンじゃなく、頭の回転のせいでした。爆)


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posted by かもめ at 19:43| ☔| Comment(7) | TrackBack(0) | むち打ち症と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする