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緊急入院顛末記 初めから読む
緊急入院顛末記(7)前回に戻る
3日目にもなると、痛みも、息苦しさも全く消失。
寝すぎて腰が痛い。(笑
今日にでも退院したい気分。
TVもラジオも窓の景色もないので、楽しみはトイレと洗面所の往復。
ナースステーションの近くに新聞コーナーがあり、距離も大したことないからと、
ソファに腰掛け読んでいると、ナースが飛んできた。
ナース 「トイレと洗面だけという約束じゃなかったですか?
心臓に水がたまるとやっかいだと先生が言ってました。
油断すると長引きますよ!」
私 「スミマセン、ついヒマで…。」
ナース 「今が大切なときです。気をつけてくださいね!

私 「ハイ、…。(しょぼん)」
トボトボとベッドに戻ると、さきほどのナースが読んでいた新聞を持ってきてくれた。
ナース 「ここで読んでくださいね。
本当は病室持ち込み禁止だけど…。
読み終わったら私が返しに行きますからそこ置いといてね。」
ニッコリ

この1件以来、私はCCUの要注意人物(?)になったようで、
申し送り後のバイタルチェックでは、どのナースも口を揃えて
「いいですね、トイレと洗顔以外は安静ですよ。今が大切なときですからね。」
と、同じことを言う。
ひょっとしたら、洗面所の窓際で妻にメールしたり、
トイレついでに1階の売店に足を延ばしたりしていることも
すでにバレバレかも知れなかった。(笑
― いよいよ退院だぁ〜! ―
厳しくも優しい天使たちに世話されながら、めきめき回復。
入院4日目、チーフナースから
「だんだん良くなってきましたネェ〜。
でも、油断はしないでね。
明日、先生から経過について話があります。
奥様にも同席してもらいますので、私から連絡をしておきます。
心電図も正常になってますから、きっと大丈夫ですよ。」
いよいよ当日。
医師はパソコンの画面で、私に心電図脈波の推移を映して見せてくれた。
(今はデータもパソコンにすべて入ってるのか、すごいなぁ〜。)
医師 「これが入院当日。
この波形がひっくり返っちゃってるでしょ。
そしてこのST波、これがあがっちゃってますね。
これが心筋梗塞や心筋炎特有の波形。
それがこのように日ごとに改善されて、昨日がこれ。
わかりますか?」
ふだん見てないものを分かりますか、といわれても…。
でも、ドクターの気持ちはよくわかった。
うれしかった。(泣
医師 「で、結論ですが、 あさって退院としましょう。
ナースの報告では、元気すぎて困るほどだそうですから。
思ったより早い回復でしたね。」
私 「ありがとうございます。
先生やみなさんのおかげです。
ということは、心筋炎ではなかったのですね?」
医師 「心膜炎でした。
が、手遅れになると心筋まで行きますよ。
先週も1人亡くなってますから…。
くれぐれも無理しちゃダメですよ。
3週間後にもう一度来てください。」
妻と2人、肩を並べ病室へ、ゆっくり、ゆっくり歩いた。
今までの生活を見直し、こんなふうにゆったりとしたリズムで過ごそう、
そう心に決めて…。
(終わり)
みなさん、長々他人の入院騒動にお付き合いいただき、ありがとうございました。(ペコ)
妻へ
心配かけて ごめんね
病院から呼び出されて
本当に びっくりしただろうね
あの場は 気丈に 振舞っていたけれど
今日になって ポツリポツリ 話してくれた
「きのうは 歩いて帰ったわ
雨だったけど 車に乗りたくなかったの
ずっと 下向いてた
気がついたら家の前だった」
君は 何を考えながら
雨の中
うつむきながら 歩いていたのか
妻に気づかれぬよう
目尻を ぬぐった
縞
自分は こんなにも 泣き虫だったのか
このまま死んでゆく無念さで 涙し
まだ生きられる喜びで 涙し
皆に支えられている感謝で 涙し
白い枕カバーに 縞をつけてしまった
ひげ
こんなにも伸びたひげを
家族に見せたことがなかった
娘は
「半分、白いよ。」
と、笑った。
冗談めかして、彼女に言った。
「こんな父さんだから
いつ死ぬかわからない
しっかりして、お母さんを助けるんだよ」
反抗期盛りは珍しく素直にうなずき
ハイタッチをして帰っていった
Produced by かもめ針灸治療室