2007年04月22日

小児ハリについて(1)

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子供の体は成人と違い、日々刻々と発達しています。

そのため脳の発達と骨や神経、内臓や諸器官の発育がアンバランスになりがちです。

それにより、夜泣き、疳の虫、乳吐き、おねしょ、消化不良による下痢・便秘などの症状が出ることがあります。

こうした症状に加え、最近は小児喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状も増えています。

小児ハリは、軽く皮膚を摩擦したり、ハリを軽く皮膚に接触したり掻いたりする方法です。

痛いという感覚を与えませんので、恐がらずに安心して治療を受けられます。


治療効果は、症状によっては反射的とも見られるほどの即効性のあるものもあります。

9ヶ月のTちゃんは、生後3ヶ月でアトピーと診断され、ステロイド軟こうを使い始めました。

治療を受け始めて3ヶ月。

顎の下以外は非ステロイド軟こうで維持できるところまできました。

治療にこられたきっかけは、夜泣きでした。

きっと、痒くて不快だったのでしょうね。

今ではハリ治療が大好きで、ぐずっていてもお母さんがツボ刺激をしてあげると

機嫌が良くなるのだそうです


気持ちいいんでしょうね。^^)


1歳7ヶ月のKちゃん、発育、成長は全く問題無いのですが、車に乗ると10分ももたず、毎回酔って吐いてしまうのです。

初めてのバス遠足の前日、お母さんは心配で治療を受けに連れてきました。

その結果、なんと往復数時間のバスにも酔わずに行ってこれたのです。

ツボというのは、不思議ですネェ〜。(笑

今度は半日かけて、連休にご主人の実家まで乗車するのだそうです。

今回は私の都合で治療をしてあげられないのですが、

お母さんは前回の治療のやり方を見ていますので、自分でやってみますとニッコリ。

うまくいくといいのですが…。(私のほうがチト不安。笑)

小児治療は基本的に刺さないハリを使います。(私は)

どのようにやるのか、どんなハリなのか、などは次回としますね。^^)

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posted by かもめ at 23:52| ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月24日

鍼灸と漢方の違い

近頃、鍼灸や漢方を紹介するTV番組がふえているようで

患者さんからいろいろ質問がきます。(うれしいことです。わーい(嬉しい顔)

昨日、こういう質問が来ました。

「鍼灸と漢方はどっちが効くの?」



今回は鍼灸と漢方の違いについて、私なりの考えを簡単に述べたいと思います。

鍼灸と漢方は同じ理論からスタートしています。

治療に生薬を使うか、はり灸を使うかの違いだけなのです。

私の場合、治療の流れは@血圧測定から始まり、A四診合参(望診、聞診、問診、切診)を経てからとなります。

特にAの四診合参は重要ですので少し詳しく述べますね。


望診(ぼうしん):見て診察すること(舌、顔色、爪、その他全身状態、局所状態)

聞診(ぶんしん):@聞いて診察すること(声、言葉、呼吸、咳など)
          A嗅いで診察すること(体から発するにおいなど)

問診(もんしん):これは説明の必要ないですよね

切診(せっしん):触って診察すること(脈診、腹診、局所やツボの触診など)


こうした診察の上に東洋医学的診断をします。

専門用語で『証を立てる』といいます。

これにより、治療法が決定されます(専門的には『治則』を立てるといいます)ので『証』なしでは漢方も鍼灸も成り立ちません。

この『証』に基づいて、漢方であればどういう生薬をどんな割合で配合するかを決めますし、

鍼灸の場合はツボの選定や方法、手技を決めてゆきます。

それが『処方』と呼ばれるもので、治療の経過にあわせて処方を微妙に変えてゆきます。

これがいわゆる『さじ加減』の由来です。

最近は漢方も鍼灸も、それらを省略した「エキス剤処方や痛いとこだけ治療」が増えていますが、

本来はこうした手順で毎回診断することが私は大切と考えます。

なぜなら体調は常に動いていますから…。

(簡便治療もそれはそれでひとつの治療法だと思います。否定するものでは決してありません。
正直言って、どうにも『証』が立ちにくく局所治療をメインにせざるを得ない場合も臨床では多々ありますから…。わーい(嬉しい顔)

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posted by かもめ at 15:58| ☔| Comment(12) | TrackBack(2) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月07日

津軽の偉人

津軽にリンゴ農家をしている木村秋則さんという偉人がいます。

去年12月にNHKの「仕事の流儀」で放映された内容を、

鍼灸師仲間のクリ助さんから送っていただき、もの凄い衝撃を受けました。

番組を観た方も多いと思いますが、ご存じない方のために書きたくなってしまいました。^^)


この木村さん、世界で初めて無農薬(天然の酢は使いますが、化学的に合成されたものは一切使いません。)
無肥料でリンゴ栽培に成功したのです。(野菜よりはるかに果物は難しいといわれています。)

それだけでも驚きですが、そのうえ味もプロの料理人を唸らせているのです。

1個300円しますが、ネットで販売すると10分で完売だそうです。
(一度食べてみた〜い。)

そして、ナント腐らないそうです。(ハァ…?と、最初は理解不可能であった。)

枯れるようにしぼんでゆくだけ…。

2年経ったリンゴをスタジオに持ってきてくれました。

司会者の話では甘くいい香りがしてお菓子のようと…。

ウ〜ン、にわかには信じられませんが、現実のことなのです。


このリンゴを作り上げるまでには木村さんと家族の長い苦難の道のりがありました。

きっかけは木村さんと奥様が負った農薬によるひどい皮膚障害でした。

そのときたまたま目にした一冊の自然農法の本に感銘を受け、前例のないリンゴの無農薬栽培へのチャレンジを決意したのです。

しかし、失敗、挫折の連続で、くる年もくる年も病害虫を克服できず、結実どころか花さえ咲かせられない状況でした。

それまで農薬、化学肥料をふんだんに使っていた農法は、それをやめることにより反動が出たかのように害虫が大発生し、
いくつもの病気に襲われるという状態に陥ってしまったのです。

まるで禁断症状に苦しむかのような木々の姿…。

収穫ゼロですから、年々家族4人の生活は困窮し、周囲のリンゴ農家から『カマド消し!』と陰口をたたかれます。

『カマド消し』とは津軽の言葉で、家の財産を食いつぶす者、とか、破産をしてしまった人のことを言います。

木村さんは絶望の果てに、死に場所を求めて、岩木山をさまようことになったのでした。


そこで、ふと目にした光景。

雑草に囲まれながらもみごとに実をたわわにつけているどんぐりの木。

「なぜ、農薬も肥料も施さないのに害虫や病気にやられることなく、こんなに元気なんだろう?」

ハッと思って根元の土を掘ってみる。

素手で簡単に掘れるくらい柔らかいではないか。

ふわふわ柔らかい土に草が見事に根を張り巡らせている。

どんぐりの根も同じように土の中で充分根を張りめぐらせているのに違いない。

リンゴもこれと同じ環境で育つなら虫や草と共存して実をつけてくれるのではないか….

もう一度土作りからやり直そう、そういう思いに至ったというのです。


死の淵で見つけたヒントを胸に、木村さんは強固な信念でチャレンジを再開します。

試行錯誤の繰り返しの中で、常にリンゴに問いかけ、反省し、悩んだり、喜んだり、落胆したりの毎日だったと思います。

リンゴと真剣に向き合い、観察し、どんな小さなことも見逃さない。

私の目がクスリであり肥料であるのです、と言い切る凄さ。

しかし、手をかけすぎてはならない。

リンゴが本来持っている自然の力を最大限発揮できるように補助するのが人間の役目であって、

主役はあくまでリンゴなのだと木村さんは悟ります。

リンゴは正直で、手を抜くとすぐ結果となって現れるのだそうです。

結果が悪かったらリンゴに向き合い問うてみる、バカになって考えれば木が教えてくれる。

そんな積み重ねの中で、少しずつ、真理を体得していかれたのでしょう。

@ 育てない。手助けするだけ

A 主人公はリンゴ

B 答えはリンゴに聞け


こうした木村さんの考え方、信念は東洋医学と非常に共通しています。

具体的には、先述の鍼灸師・クリ助さんのブログ記事に詳しく書かれていて、個人的に120%共感を覚えました。

鍼灸に携わる方だけでなく一般の方にも是非読んでいただきたいと思います。

東洋医学とりんご栽培―「仕事の流儀『リンゴは愛で育てる』を観て



最後に

現代社会はいまのままでいいのだろうか…、という思いが湧き上がってきました。

リンゴに限らず農業全体の問題として、合成農薬、化学肥料を大量に使わなければ

栽培できないような環境になってしまっています。

酪農や養殖漁業だってそうだし、食品添加物は知らぬ間に体内にドンドン入り込んでいます。

そのうえ、日本人の薬の消費量の多さも以前から指摘されています。

体内に入った化学物質は自然治癒力を低下させ、かえって病気になりやすい体を作ってはいないでしょうか?

木村さんが作る自然農法のリンゴは腐らない、枯れてゆくだけ…。

人間も病気で苦しまず、枯れるようにあの世に行けたなら…考え込んでしまいました。

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posted by かもめ at 11:33| ☁| Comment(14) | TrackBack(1) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月14日

軽い尿失禁には灸がおすすめ

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自分の意思に反して勝手に尿が漏れてしまうことを尿失禁といいます。

最近のアンケートでは35歳以上の健康な女性でも2人に1人は多少なりとも尿失禁の経験
があると答え、現在も時々あると答えた人は5人に1人という結果が出ています。

咳や、くしゃみ、運動したとき、重いものを持ち上げたときなど、
急におなかに力が加わったときに漏れるタイプが多いようです。

こうした軽度の尿失禁は、恥ずかしさもあり、病院を訪れにくく、
我慢をしてしまう例が多いようです。

しかし、日常生活はとても不便です。

その上、精神的にもストレスがたまり、物事に対し消極的になってしまいがちになります。

原因がハッキリしない軽いものならハリ灸で、結構治ります。

とくに、灸はよく効きますので思いきって治療を受けてみてください。

熱いお灸が苦手の方にはぽかぽか温灸を使います。

ただし器質的な問題や、膀胱の神経そのものに問題があるとき、
たとえば脳卒中の後遺症やパーキンソン病、脊髄損傷、重度の糖尿病
などからくる尿失禁は効果が出にくいようです。

自分で毎日、肛門や膣を締める運動も軽い尿失禁には効果があります。

いつでもどこでも、誰にも気づかれずにできますので
根気よく続けてみてください。わーい(嬉しい顔)

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posted by かもめ at 22:46| 🌁| Comment(8) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月11日

健康創生論

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浜松医大の永田医師は7年ほど前に、薬の副作用により寝たきりの状態になってしまいました。

主治医には

「一生起つことはできない。車椅子も無理です。」

と宣告されます。

リハビリ専門病院に転院した先生は西洋医学の限界を感じ、鍼治療の併用を決意したのです。

病院側とも話し合い、治療院の先生に毎日病室に往診してもらう生活をスタートしました。

盆も正月も休まず毎日鍼とリハビリを続けて1年半、
とうとう立って歩けるまでに回復したのです。

このことがきっかけで先生は鍼の研究を始められ、さらに仕事の合間には
この体験を全国各地で講演されています。

講演内容記事 『健康創生論』

研究のひとつに

尿中の抗ストレスホルモンが鍼治療によりどう変化するか

というテーマがあります。

抗ストレスホルモンは、体の中で免疫能力を向上させ、
糖尿病、動脈硬化を予防しさらによく眠らせる、気分をさわやかにする、
など生命力のホルモンであることがわかってきました。

そして鍼をすると尿中のホルモンの量が上昇することが確認されました。

さらに注目すべきは

翌朝の尿のホルモン値は低下しているのですが、
ベースラインはちょっと上がっていることを発見したのです。

つまり、永田医師は1年半一日も休み無しで鍼治療を続けたことにより、
少しずつこのベースラインが上昇を続けて奇跡が起きたのかもしれません。

難病でも、諦めたら駄目です。

先生はそう訴えているのだと思います。

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posted by かもめ at 13:04| 🌁| Comment(8) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月20日

むち打ち症にはハリが効く

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交通事故の後遺症は結構深刻です。

外傷のほかに厄介なのは、頭重感や首、肩、背中のコリ感、
上腕や下肢の異常などの、いわゆるむち打ち症です。

なかには吐き気やめまいがなかなか取れず、仕事に出られないため
休業補償が必要な場合もあります。

むち打ち症.jpg

一定期間が経つと

「検査ではもう大丈夫のはず。」

と、医師から治療終了を打診されることが多いようです。

大丈夫のはず、と言われても、つらいものはつらいのです。

レントゲンなどの検査では分からないところに、
むち打ち症の難しさがあります。

わたしも、昔、加害者の立場になったことがあり、相手から
そのつらさをイヤというほど聞かされました。^^;)

結局、自賠責だけでは間に合わず、任意保険のありがたさを
思い知ったわけです。
ハリ治療を併用すれば、早く効果が出ただろうな、と今は思います。


どうも治りが遅いなと感じる場合は、ハリ治療をおすすめします。
ハリを併用すると効果は確実にアップします。(断言!わーい(嬉しい顔)
後々の後遺症も出にくいようですし…。


保険会社の担当者の中には、整形外科と鍼灸を併用して治療することに
難色を示す方もいますが、

被害者である場合には、示談成立前であれば

ハリ、きゅうも治療法として選択する権利があると思います。


(治療費は保険会社が負担することになりますので、
事前に保険会社に相談は必要です。)

自動車保険は、被害者救済のための保険であり、
健康保険と趣旨が違いますから…。

症状が取れて仕事や家事に復帰できなければ、被害者は
示談など受け入れできないでしょう。

そのためには、1日でも早く楽にしてあげることです。
そのへんが分かっている担当者は、ハリの併用に前向きです。


治療期間が長くなると、治療費も大変ですが、休業補償費
がとんでもない額になってしまいます。(経験者は語る…笑)

早く治るように、積極的にハリを受けさせたほうが
保険会社にとってもメリットがあると思いますよ。


示談成立後は、保険証を使っての治療になります
(この場合は医師の診断書や同意書が必要になります。)

保険治療を扱うかどうかは、治療院により違いますので、
事前に相談してみてくださいね。^^)

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posted by かもめ at 22:15| 🌁| Comment(4) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月25日

手軽に楽しむ ヨモギ風呂

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灸(きゅう)の原料でもあるヨモギは薬効が高く、ヨモギ餅など食品にも使われています。

このヨモギを使ったお風呂が、冷え性の対策としてなかなか効果があります。

お肌もスベスベになりますし、腰痛や関節痛、神経痛にも効能がありますよ。

よもぎ.jpg

ヨモギは、全国いたるところの道端や空き地に自生していますので、
散歩のついでにも摘めますから材料費はゼロです。
試してみてくださいね。^^)

やりかたは簡単です。

よく洗ったヨモギ200〜300グラムをもめん袋に入れ
水から沸かします。

乾燥ヨモギなら半量でよいでしょう。

市販の入浴剤より香りも自然で、とてもよい感じです。^^)

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posted by かもめ at 09:26| ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月21日

だから鍼灸師はやめられない!

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「あれ? 変だなぁ…。」
自転車置き場から物音がする。

次の予約患者はYさんの筈…。
Yさんはリウマチで、毎回家族が車で送迎していた。
(誰か、時間を間違えて来られたか、それとも新患かなぁ。)

入ってきたのはYさんだった。

聞くと、
「今日はどうしても車が使えなくて、いい機会だから自転車にチャレンジしてみたの。」

指の変形が進み、ボタンの掛け外しにも苦労しておられたので、正直驚いてしまった。

1年前に初めて治療に来られたとき、
「少しずつでも良くなって、なんとか送り迎えなしで来れることを目標にしましょうよ。」
と、話し合ったのだった。

治療を開始して半年くらいから徐々に痛みが軽減し始め、
病院での検査数値も順調に下がってきていた。

特にこの1、2ヶ月、手ごたえは感じていたが、まさかいきなり自転車に乗ってくるとは…。

治療中、雨が降り出した。

「帰りは、傘さしだと危ないから、タクシー呼びます?」
と、聞くと

「きっと主人がくると思うわ。そしたら、自転車は旦那に頼んで私は歩いて帰るから。」

治療後のお茶を飲んでいると、はたして彼女の読み通り、ご主人が迎えに来られた。
(さすが夫婦、以心伝心…?^^)

ご主人は、傘を片手に
「この病気になってから、ずっと乗ってなかったんですよ。
でも後ろから見てたら大丈夫そうだったんで…。そしたらこの雨でしょ、
いくらなんでも帰りは無理だと思ってネェ。」

さらに、
「先生のおかげで家内もだいぶ家事できるようになりまして、
私も近頃は楽させてもらってます!」

そう言うと、ガハハと大笑いされた。

仲良く並んで雨の中を帰ってゆく2人を見送り、胸がジーンと熱くなった。

これだから、鍼灸師はやめられないよなぁ〜。

つい、うれしさのあまり、『認知症のツボ療法』投稿の約束をすっぽかして
しまいました。ごめんなさい。^^;)

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posted by かもめ at 22:27| ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月03日

アンチエイジングと鍼灸(その2)

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前回の記事 [アンチエイジングと鍼灸(その1)]で、
『腎』が老化と深く関わっていること、何となく解ってくれましたか?

解ったような、わからなかったような…。^^;)

要約すれば 『腎の精』 『腎のシステム』を大切にすれば、
老化を防止できる
、ということでした。^^)

こういうことを、4千年前の医学書に書いてあるのですから、
いかに先人たちが偉大であったかわかりますね。

気の遠くなるような、経験と観察の積み重ねの
集大成が東洋医学なのです。

今回は、アンチエイジングのための食事や生活面のアドバイスです。

まず食事面ですが、塩分に気をつけてください。

五臓に対比させた五味という概念が中医学にはありますが、
それによると、腎は塩辛い味(かん味)に注意するようにと
記述されています。摂りすぎないようこころがけてください。

ただし、不足し過ぎてもいけません。
適量の塩分がないと逆に『腎』は働きが低下します。

そして、黒い食物が腎システムを強化してくれるものが多いようです。
(たとえば、ひじき、きくらげ、黒豆などのような…。)

また、漢方薬に使われている材料で手に入れやすいものが
ありますので紹介しますと、

山薬(やまいも)、クコシ(クコの実)、タイソウの仲間の
棗(なつめ)や杏(あんず)、ドライプルーンなどがあります。
(ドライプルーンは食べ過ぎに注意!便がゆるくなります。)

あと、大事なことは『冷えに注意!』です。

『腎』は冷えると機能が低下します。

これからの季節、冷飲食の摂り過ぎや冷房に注意してくださいね。

とくに、腰やおなか、膝から下を冷やさないこと、
これもアンチエイジングの第一歩ですよ。^^)

次回はアンチエイジングのツボ療法を書きたいと思います。

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posted by かもめ at 17:05| 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月02日

アンチエイジングと鍼灸(その1)

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最近、アンチエイジングという言葉が注目されています。
抗加齢、抗老化という意味だそうです。

ただ、現在のアンチエイジングは、見た目の若さ、若返りのための
美容や化粧品、サプリメント販売が主流のようです。

からだ内面のアンチエイジングこそ最も大切と思うのですが…。

老化を体内から防止することは、健康増進や病気予防にもつながります。

東洋医学の考えでは、老化と関連が深いのは『腎』です。
(腎臓そのものではなく、腎という名称のシステムです。
詳しくは『腎と腎臓のちがい』を参照してください。)

『黄帝内経』という中国最古の医学書に、腎について次のような
記述があります。

『精を蔵し、生長・発育・生殖を主(つかさど)る』

少し説明を加えます。

腎は『先天の精』(両親から受け継ぐ)と『後天の精』(飲食など
から得られる)から生成される『精』を貯蔵します。

その『精』は生命体の基本物質となって、生長、発育、老化、
死亡の全経過にかかわるのです。

私は日頃から、どんな症状の患者さんにも腎のツボを
必ず併用しています。
ということは、アンチエイジングを先取りしていた?……^^;)

滋腎益精(腎を助けて、精の生成を促す)の処方として、

ハリなら『腎ゆ』 『気海』 『足三里』 『太けい』などを用います。

中医学では鍼灸も漢方も同処方のもとに治療してゆきます。
ツボを使うのか、生薬を使うのかの違いだけです。

漢方なら『熟地黄』 『山薬』 『サンシュユ』 『牡丹皮』
などの生薬が補腎作用で有名です。

代表的な補腎薬である六味丸(六味地黄丸)は、この4種に
『タクシャ』 『ブクリョウ』を加えたものです。

老化現象からくる耳鳴り、難聴、視力減退、排尿障害などに
よく処方されます。

さらに、冷えや、腰の重だるさがある方には、『桂枝』 『附子』
を加えた八味丸が処方されています。

現実に『腎』が老化と深く関わっていること、何となく解って
くれましたか?^^)

次回は『アンチエイジングと鍼灸(その2)』
ということで、食事や生活面での簡単なアドバイスを書きたいと思います。

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posted by かもめ at 19:03| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月29日

ハリ1本で内臓が動く!?

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テレビなどで実験を見た方もいると思います。

胃を透視画面に映し出して、足のツボににハリを打ってみます。

すると、ほどなく胃がモゾモゾと動き出します。
胃下垂の人の場合は数センチも上に持ち上がったりします。
神経的には直接なつながりはありませんので、なんとも不思議な現象です。

また、そのときどきの胃の状態によって、ハリ刺激による作用は変わってきます。

たとえば、胃酸過多などで胃液の酸度が高くなっているときに、足や腰背部のツボにハリをすると、
胃中の酸度は低下します。それに対して、消化不良や
低酸症などでは、逆に胃液の分泌は盛んになり、胃中の酸度は上昇します。

このように、同じツボにハリを打っても効き方はまったく変わってきます。

薬ですと、酸度が低いから高める薬、高いから低くする薬と、
あらかじめ決まってしまいますが、ハリの場合は“身体のほうで自然に効果を決定してくれる
というしだいです。
鍼灸治療には副作用がなく安全、といわれる所以でもあります。

このことは、ハリ刺激が単に胃を動かすだけでなく、胃の働きを
コントロールしている自律神経にも作用して、体調をよりよい方向に
導く働きがあることを示しています。

これはすべての内臓、諸器官にも同様に作用することが確認されています。

ハリ治療は、腰痛、肩こり、膝痛などコリや痛みのための治療
といったイメージがありましたが、このように内臓系や神経系にも有効
なことが解明されて、治療の範囲が大きく広がってきているのです。

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posted by かもめ at 08:47| ☁| Comment(5) | TrackBack(1) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月22日

高齢化社会に向けての5つの心得

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ある方から「高齢化社会に向けての5つの心得」なるものを
教えていただきました。

@ いくつになっても歩ける。
A いくつになってもボケない。
B いくつになっても下の始末は自分でする。
C いくつになっても少しは人のためになろう。
D 死ぬ前には1週間だけ寝つく。


Dの意味をたずねたところ、次のような答えがありました。

「何年も寝つくと嫌われる。かといって、あっさりポックリでは惜しまれる暇がない。遠くの親戚、縁者も駆けつけて最後の挨拶をしてからあの世に行くためには、1週間がちょうどいいのです。」、とのこと。
ウーンと、うなってしまいました。複雑な心境ながら納得できます。


この心得どおりの老後を送り、人生の最後を迎えられたら
どんなに幸せでしょう。
(『ある旅立ち』のおばあちゃんもうらやましいと思いますが…。)

どうすればこのような逝き方ができるのでしょうね。

ポイントは大病をしないよう健康管理をすることだと思います。

停電して電気の有難味が分かるように、大病をして初めて健康の有難さが分かります。電気は復旧すれば元通りになりますが、健康はそうはいきません。大病をしてしまうと完全な健康体には戻れません。だからこそ健康なうちに、将来のために考えることが大切と思います。

生活習慣病(成人病)に対して現代医学は大きな壁に突き当たっています。医療費がかさむ割に病気は治らず、病人は増加の一途です。

21世紀は予防医学の時代になるでしょう。治療の手段で悩むより、病気にならない体を日頃から作って維持管理することがベストの方法です。

症状の軽いうちに手を打ってこじらせない。病気の芽を早く摘む。痛いのもつらいのも結局は自分持ち、誰も代わってはくれません。自分の体は自分で守るしかないのです。

今まで健康はお医者さんが守ってくれるもの、病院で治してもらうものという考えでした。これからは自分が努力して築き、維持してゆく、医療機関はあくまで脇役であり、主役は自分自身であることを自覚する必要があるでしょう。

無理のない範囲内での軽い運動や上手なストレス発散法、そして自分なりの健康法を見つけ根気よく継続してゆく。こうした考え方、姿勢が大病から身を守ります。

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posted by かもめ at 13:40| ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月19日

あなたのおなか、堅くないですか?

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下の図を参考にしてあおむけになり、ゆっくりと息を吐きながら、
おなかのあちこちを押してみてください。

(一本の指では力が入りにくいので、三本指で押してみてください。
その際、もう片方もいっしょに添えると楽に押せます。)

hukusin.gif.jpg

@:肝系ゾーン
A:腎系ゾーン
B:婦人科系ゾーン
C:心系ゾーン
D:胃・十二指腸系ゾーン
E:大腸系ゾーン
F:呼吸器系ゾーン



変に堅かったり、いやな痛みはありませんか?
腹診は舌診、脈診とならび東洋医学の重要な診察手段です。

健康を左右するのは五臓六腑の善し悪しであり、
それらのツボが腹部には存在しています。

だから腹診はとても大切なのです。

全体的に柔らかく、つきたてのおもちのような感じのおなかは、
とても健康状態がよいといえます。

逆に、板でも押してるようなおなかはよい状態とはいえません。 

体の内部の不調がこのようなゾーンに信号として現れます。
さらに背中や腰の側にも不快な痛みや症状が出るときは要注意です。

病院での検査で異常なしといわれても安心はできませんよ。

なぜなら、病気の初期は検査に現れません。

症状が進行し、体が数値のコントロールをできなくなって
初めて検査に出てきます。

つまり病気の一歩手前の場合は検査ではわからないのです。
定期的に検査を受けていても、突然倒れてしまうことがあるのは
こうしたことなのだと思います。

こうした半分病気の状態(東洋医学では未病といいます)
のときには、舌診、脈診、腹診が有効な手段となります。

腹部の圧痛と体内の異常が密接な関係を持っていることを、
数千年にわたり先人たちが積み上げてきた集大成が東洋医学です。

21世紀の医学はこうした人類の宝ともいえる東洋医学を
積極的に活用すべきです。

「早期発見・早期治療」、これがベストの医学といわれてきました。

これからはこれではダメです。

「病気予防・健康維持」の時代です。

つまり、検査に引っかからないように自分の体を管理して行くこと。
持病を持っている方はこれ以上悪くならないように維持すること。

これがベストの医学だと思います。

なぜなら、ガンにしろ心臓病、脳卒中、その他もろもろの生活
習慣病は今の医学では完治が難しい現状なのですから…。

おかしいなと思ったら舌を見る、おなかのツボを押してみる。
体の内部をのぞくつもりでやってみてください。

そうした気持ちを持ちつづけ、体を観察してゆくことが
病気の予防につながります。

西洋医学と東洋医学の長所を上手に活用して行くこと、
これが今後の医学の方向と思います。

(関連記事 『舌は内臓の鏡』)

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posted by かもめ at 11:48| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月10日

『鍼灸師』という職業

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私は、34歳で会社を辞め、鍼灸の学校に入学しました。

妻と3歳の息子を連れ、秋田から寝台列車に乗り込んだのが、
18年前の冬。

3年間の学費を持って、なんとかなるだろう位の気持ちで…。


それなりに大変でしたが、やりたいことが出来る嬉しさで今日までやってこれました。

妻は違ったでしょうね、きっとハハハ…。
でも、いつも背中を押してくれたのは彼女でした。
(それで、いつも押されっぱなしなのかも?^^;)

この半月、『鍼灸師』という職業について今一度、考えてきました。

資格を取るのは簡単になったけど、純粋に鍼灸で食べて行くのは以前より難しくなった現状。

でも、努力と工夫で、仕事に見合った成果は挙がるはずだし、そうしなければ鍼灸が廃れていってしまう…。

開業鍼灸師でありながら、あまり深く考える間もなく来てしまいました。
(そこまで頭自体が回ってなかった?)

2月のブログ開設当初は、一般の方を対象に、東洋医学を通じて予防医学の大切さやツボ療法を知ってもらえばいいな、みたいな思いでした。

この2ヶ月、ブログを通じて鍼灸師の方や医療関連の方とも知り合い、もっと勉強をさせてもらいたいと考えるようになりました。

と、同時に私自身も、これから鍼灸をめざしたい若者や、途中下車して鍼灸をやりたい人、第2、第3の人生を鍼灸で生きたい方、そういった方々にエールを送り、求められれば自分なりにアドバイスが出来たら、そう思っています。

儲けるのは下手ですが、つぶれずにしぶとく生き残るノウハウ?…は持っていますので。(^^;


世の中には鍼灸の偉い先生方がたくさんおられ、業界発展のために活動されています。

私は、一介の未熟な鍼灸師ですが、せっかくブログという分野でデビューしたわけですからここをベースにコツコツとやっていこうと思います。

そして自分は、鍼灸臨床の職人であり、学者ではありません。

理屈より、経験と勘を重視してやってきた人間ですので、間違い、勘違い、勉強不足などは笑って許して、やさしくご指摘ください。

で、これからどうするか……。おいおい考えながら、ということで。

次回は『鍼灸との出会い』を書いてみます。

今日の結論。 

鍼灸をめざしている方! 心配しないで飛び込みなさい!

脱サラして鍼灸やりたい方! 応援しますよ!なんとかなります!


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posted by かもめ at 18:52| ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月07日

Sさんの『ベロ日記』

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今日治療に来られたSさん、昨日病院で褒められたと
ニコニコ話しをしてくれました。


病院で測る血圧が、家での数値よりいつも高いので、
記録してある手帳を持っていったのだそうです。

医者はフンフンと頷いてみていましたが、首をひねりながら
Sさんに尋ねました。

「この奥が剥げてるとか、色がどうだとか書いてあるのは何のこと?」
「それは舌のことを書いてるんです。」
「舌に、興味があるの?」
「体調によって舌が変化するんです。1日2回見ています。」


手帳には、日付、天候、血圧、舌の状態、体調、
その日の出来事も書きとめて…。

10年間続けていることを聞いて、医者はウンと褒めてくれた
というのでした。


Sさんは10年前から、週1回欠かさず治療にみえています。

慢性の腰痛で、ずいぶんと苦しまれたようでした。
いい治療院があると聞けば、他県にまで出かけたそうで、
少しずつ楽にはなってきているもののまだまだ本調子ではない、
そんな状態でここにこられました。

私は治療前に、必ず血圧測定、舌診(舌の状態を観察すること)、
腹診(おなかを触って状態を調べること)を行います。
初診時だけでなく、毎回です。これに加えて問診をして
治療がスタートします。


「どうして、いつも舌を見るのですか?」
10年前、彼女は、こう質問をされました。

他の患者さんからも、たまに聞かれますので、その時はこう答えます。

「舌は、内臓の鏡です。からだの内部の状態がよく現れます。
からだは常に動いていますから、先週と今週の舌は違っています。
場合によっては朝と夜でも変化してますよ。だから、
必ず診てから治療するのです。」

実際、彼女の舌はかなりひどい状態でした。

「毎日、鏡に向かったとき、忘れず舌を見る癖をつけてください。
毎日見続けていると理屈ぬきに、何となくわかってきますから。」
と、話したと思います。

1週間後、彼女が興奮気味に話されたのを覚えています。
「先生、ホントに朝と夜では舌、変わるんですね、びっくりしました!」

まさか、あれから10年間手帳に書き続けていたなんて…。

「私のベロ日記だねぇ。おかげでこの頃はベロ見て、少し疲れてるかな、
今日は無理すまい、なんてやってるよ。腰痛も出ないからありがたいよ。」

そう、いって笑われた。

……、頭が下がる思いです。

こんなに、前向きに懸命に努力してくれてるSさんの話を聞き、
こちらも襟を正して、治療に取り組んでゆかねば、そう強く思いました。

(舌についての記事は 『舌は内臓の鏡』にも書いています。)


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posted by かもめ at 21:25| ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月06日

「腎」と「腎臓」のちがい

慢性腰痛の患者さんは、「腎」の異常が多くみうけられます。

そのことを話しますと、

「病院の検査では腎臓が悪いなどといわれたことはないのに…。」
と、とまどわれる方が結構いらっしゃいます。

東洋医学において「腎」とは腎臓という内臓を指すのではなく、
ひとつのシステム、つまり、機能として考えています。


具体的にいくつか挙げますと

@ 発育、老化、生殖をつかさどる
A 水液代謝をつかさどる
B 呼吸作用の補助をする
C 骨をつかさどり、髄を生じ、脳を充たす
D 耳と二陰に開きょう
E 腰は腎の府

少し解説を加えます。
続きを読む
posted by かもめ at 20:38| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月30日

不眠、浅眠には「心」と「肝」

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「春眠、あかつきをおぼえず。」と言われるほど、春はよく眠れる
季節ですが、不眠や浅眠で悩む方も多いようです。 

こうした場合、西洋医学では中枢神経を抑制する、安定剤や
睡眠薬をよく用います。 

しかしこれらの薬は使い方が難しく、翌日まで眠気が残ったり、
頭がスッキリせず、仕事や生活に支障が出ることがあります。
また、常用すると習慣性の問題や副作用も心配です。

不眠、浅眠の原因は十人十色ですので、一概には論じられませんが
東洋医学ではこうした病態は主に 「心」と「肝」 の異常と考えます。
(ここでいう「心」と「肝」は心臓、肝臓そのものでなく、からだを
コントロールするシステムの名称と考えてください)


「心」には心臓としての機能だけでなく、「精神の宿るところ」
つまり、精神、感情のコントロール機能も含まれています。

従って、イライラや心煩感を伴う動悸や不眠などは「心」の
機能異常と考えられます。
自律神経失調症からくる不眠も含まれます。

「肝」も精神情緒活動に深く関わっており、「肝」システムの乱れが
精神活動の失調につながることがあります。

イライラ怒りっぽい、不安不眠などの精神症状に加えて眼の疲れ、
就寝中、足がつるなどといった症状が重なれば「肝」の異常が考えられます。

「心」「肝」両者の機能を乱す大きな原因としてストレスがあります。
現代はストレス社会と言われるほど、老若男女を問わずストレスを
抱えています。

ストレスは体内をめぐる『気』『血(けつ)』『津液(しんえき)』を
停滞させ、気滞・おけつ(血滞)・痰飲などのイライラのもとを生みだし、
不眠の一因になります。

滞った気を散らし、血をめぐらせ、痰飲を取り除く。
これが「心」「肝」をメインに調整する理由なのです。

対策については『不眠のツボ療法』を参考にしてください。



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posted by かもめ at 20:21| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月14日

頑固な肩こりと右背部痛

肩こりの原因は、十人十色、百人百様で、単一の原因から来ている場合は稀です。

いろいろの要素が複雑に絡み合っているために、治療する側によって見解が違うことが結構あります。

どれが正しいとかではなく、どの角度から診るかによって違ってきます。


仕事上、利き手を酷使している場合、右利きの人が右肩が凝るというのはやむを得ないでしょう。

ただし、いくつかの症状が一緒に出ている場合は、他にも何か原因があるのではないかと私は考えます。


お気に入りブログのひとつに、長年苦しんできた肩こりや胃の不調が、ハリ治療で劇的に治った顛末の記事がありました。

(詳しくはこちら---> 医療ライターズカフェ)

頑固な肩こりと、脂っこい食事を取ったあとの右背中の強い張痛を訴えています。

ひどい夜は眠れないほどのつらさ、これも重要なポイントです。

病院で検査しても所見は無く、単なる肩こりとの診断のことですね。

限られた情報の中での、独断と偏見を許していただけるならば、
大元は「肝」の異常と思います。

少し専門的に突っ込んでいえば 「肝気鬱結(かんきうっけつ)」の証、
そして、眠れないほどの背中のつらさ、これはさらに進んだ
「肝鬱気滞(かんうつきたい」)でしょうか。


お断りここでいう「肝」と「肝臓」は同一ではありません。東洋医学では「肝」は肝臓の働きも包含した大きな機能、システムをさします。したがって、病院の検査で肝臓そのものはOKでも、システムとしての「肝」が正常に機能しているかどうかは別問題なのです。)


著述業の方は締め切りがあるため、どうしてもイライラやストレスが大きく、また生活が不規則になりがちです。

「肝」はこれらに敏感に反応しやすい特性を持っているために、つかさどっている「気の循環作用」が低下します。

これを「気滞」といいますが、張って苦しい痛み方が特徴です。

からだは敏感にそれを察知してシステムの中心である肝臓を守ろうとします。そして、内臓ー体壁反射が起きて右上半身を緊張させます。

これが、慢性的な肩こりと右背部痛の根本原因ではなかったかと、私は考えます。

脂っこい食事のあとのつらさは、胆汁分泌異常が絡んだ症状でしょう。

胆汁は肝臓で作られます。
肝胆相照らす、と言われるように東洋医学では表裏の関係です。

これに目の疲れ、夜中の足のツレ、月経時の症状の悪化なども加わるようでしたら、さらに可能性は高くなります。


私が思うに、治療してくれたハリの先生は、多分、大元を良くするツボ、
つまり「肝」の働きを調整する治療も加えてくれていたと思います。

今度行かれたら、その辺のことも時間があったら尋ねてみたら
どうでしょうか。いい先生にめぐり合えたのだと思いますよ。

今回はちょっと専門的な話になってしまいました。

関連記事:『頑固なコリは内臓から?』


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posted by かもめ at 21:55| ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月08日

花粉症に微弱電流治療が効く

このところの暖かさで一挙に花粉症モードになったようです。

薬を使ったり、メガネ、マスクをしたり対策もいろいろです。
ただ、こうした方法はあくまで対処療法であって、根本治療
にはなりません。

私の治療室では、数年前から微弱電流治療という方法を導入し、
花粉症治療に応用しています。

詳しい話は省略しますが、足の指に貼った湿布から極めて
弱い電流を流すだけです。

ハリ、灸と併用するとさらに効果はアップしますが、
こどもやハリが恐い人には単独でやっています。

効果のほどは、個人差があるので100%というわけには
いきませんが、70〜80%の手応えを感じています。

花粉症だけでなく、アレルギー全般に効くようでアトピー
などにも効果が出ています。

以前の治療法では、目や鼻の周囲にも、少しはハリを打たざるを
得なかったことから考えると、大変な進歩だと思います。

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posted by かもめ at 16:12| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月06日

頑固なコリは内臓から?

現代人にとっては、身近な存在の肩コリ。

慢性化してしまったために 「自分は肩コリ症だから」 とか
「疲れているせいかな」 などと、簡単に片付けてしまいがちです。

頑固なコリが、実は内臓からの危険信号、メッセージの場合があります。

そもそもコリとは一体何でしょうか?

筋肉は緊張すると固くなり、1本1本の筋線維が太く、短くなります。

すると筋肉の中を通っている血管が圧迫され、収縮することになります。

結果として血液循環が悪くなり、筋肉への栄養や、酸素の運搬が滞って
コリが発生します。

運動会やスポーツ大会の後、体のあちこちにコリが出るのはこれが原因です。

単純に筋肉疲労だけなら、時間の経過とともに取れていきます。

ところが、いつまでたっても取れない頑固なコリというのは、
筋肉を連続的に刺激している、何らかの原因があるということです。

その原因のひとつとして、内臓の異常が慢性の刺激を筋肉に与えて
いることがあります。

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posted by かもめ at 18:22| ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 東洋医学・鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする