前回は突発性難聴の程度と予後(治療効果の見通し)について書きました。
おおむね、次のようになります。
20〜40dB :軽度難聴 →完治が期待できます
40〜60dB :中程度難聴 →かなりのレベルまで良くなることが期待できます
60〜80dB :高度難聴 →耳鳴りや耳の違和感が残るかも知れませんが、日常生活は可能なレベルまでは期待できます
80dB〜 :超高度難聴 →ほとんど聴こえなかったものが、雑音として聴こえるようになった り、聴こえはするが言葉としては分かりづらいなどの後遺症が残るかもしれません
ただし、あくまでも早期に治療を開始、という前提での話です。
開始が遅れると治りも悪くなり、後遺症も残りやすい傾向があります。
今回はオージオグラムのパターンについて書きたいと思います。
オージオグラムというのはオージオメーターという検査機器で聴力検査をして結果をグラフ化した図をいいます。
ひとくちに突発性難聴といっても、低音が聴こえないタイプ、高音域に障害が出ているタイプなどがあります。
(低音域障害タイプ)
横軸は音の高低(周波数Hz)で右にゆくほど高い音です。
縦軸は音の強さを表していて、20dBより上にあれば正常です。下にゆくほど聴こえにくい状態を示しています。
この図では低音側の聴こえが悪い、すなわち左下がりパターンです。
(高音域障害タイプ)
この図では右に行くほど聴こえが悪い右下がりパターンで、高音の聴こえが悪いタイプです。
経験的に低音域障害より高音域障害のほうが治りにくいかな、という感触を持っています。
(中音域障害タイプ)
突発性難聴の中でも一番日常生活で辛いのがこの谷型パターンだと思います。
低音域や高音域はさほどひどくなく250〜4000Hzの中音域が聴こえないパターンです。
500〜2000Hzは言語帯域と呼ばれ、人間の音声の大部分がこの波長帯なために会話が聞き取れないのです。
(低音域、高音域障害タイプ)
谷型と反対に言語帯域の500〜2000Hzは聴こえるが、低音域、高音域が難聴の山型パターンです。
普通の会話はできますが職業柄、たとえば音楽関係のお仕事をされている方には支障が大きいと思います。
また耳鳴りや音のこもる感じなどの違和感が谷型より強い傾向があります。
オージオグラムは医療機関でお願いすればコピーをもらえます。
どのタイプかを知ることで多少なりとも不安の低減に役立つと思います。
2024年10月23日
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