(症例) 肝気鬱血 (かんきうっけつ) の不妊
Bさん 34歳 会社員
結婚4年9カ月 不妊歴4年
体外受精希望
通院歴7ヶ月(不妊専門病院)
体の状況
この2ヶ月間生理なし。生理不順がひどい。
不妊専門病院で体外受精をめざしているが、なかなか良い卵に育たず採卵できたのは2回だけ。
移植3回したが、妊娠に至らない。
日頃からイライラ感があり、不眠、不安感、夢をよくみる。
肩コリと目の疲れ、目の奥が痛い、疲れやすい
冷え性と脚のむくみ、便秘と下痢を繰り返す
たまに胸痛あり(一過性で軽い) ため息が多い
舌診
全体的に血色悪く、舌の先端が赤い
舌の横側に行くほど色が青黒く、舌の中央に亀裂が少しあり
脈診
一見元気よい脈だが、肝と心の脈に緊張が感じられる
腎の脈は弱い
腹診
みぞおちから右の肋骨下にかけてが張りが強い
押されると不快感少しあり(上腹部全体的に)
治療と経過
イライラが強いので病院の先生に相談し漢方薬も出してもらい、
鍼灸も疎肝理気(強く張っている肝の気を鎮め、気のめぐりを改善させる)を主眼に治療を継続。
治療開始して1年2カ月目で妊娠。
考察
この方は典型的な肝気鬱血タイプです。
パワハラ上司による長年のストレスでメンタル面の疲労蓄積が大きな原因でした。
強いストレスは交感神経を緊張させ全身の血流を悪化させます。
イライラしやすい、いやな夢を繰り返し見る、食欲が異常に亢進して止まらなくなる、
などの症状が複数ある場合はストレスから来ている場合があります。
この方は幸い、この上司が転勤してからストレスも徐々に軽減し、
鍼灸治療と漢方薬も併用したのが効いたようで、妊娠することができました。
Produced by かもめ針灸治療室
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2018年03月26日
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