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シリーズの前回までは主に西洋医学の立場から見た不妊症の話でした。
今回は東洋医学から見た不妊症です。
難しい話は割愛してザックリ述べてしまいますと、
妊娠に一番関係が深いのは
『腎経(じんけい)』というツボの流れ になります。
正式名称は『足の少陰腎経(あしのしょういんじんけい)』と呼ばれます。
体には14本のツボの流れがありその中の1本なのですが、
この『腎経』の働きが弱いと不妊症につながりやすいと考えられます。
勘違いしないでいただきたいのですが、『腎経』の『腎』と『腎臓』は同じではありません。
腎臓はあくまで臓器そのもの を指しますが、『腎経』の腎は
腎臓機能も含めて、からだのいろいろな機能をコントロールしているシステム
と考えてください。
具体的に『腎』が関わっている機能を挙げますと
@ 発育、老化、生殖をつかさどる
A 水液代謝をつかさどる
B 呼吸作用の補助をする
C 骨をつかさどり、髄を生じ、脳を充たす
D 耳と二陰に開竅(かいきょう)
E 腎は腰の府
これを見ると、西洋医学で言うところの腎臓とかなり違いますね。
(詳しく知りたい方はこちら ⇒「腎と腎臓のちがい」 をごらんください。)
@で出てくる「発育、老化、生殖をつかさどる機能」が腎の大きな仕事のひとつです。
つまり命の誕生や成長、老化、そして命の終焉までをつかさどっているのです。
もう少し具体的に挙げますと、女性の月経や妊娠、出産にかかわる症状、
生殖能力の盛衰なども関わってきます。
最近、アンチエイジングが話題になりますが、これも腎が重要なカギを握っています。
興味のある方はこちら ⇒ アンチエイジングと鍼灸
極論すれば、不妊治療の最大のポイントはこの
腎の状態をいかに良くしてやるか
に尽きます。
あとは『肝経かんけい)』『脾経(ひけい)』『膀胱経(ぼうこうけい)』『肺経(はいけい)』
『任脈(にんみゃく)』『衝脈(しょうみゃく)』などを必要に応じて加えます。
不妊治療における鍼灸の役割は、
母体の健康状態を良くして、質の良い卵の成育を助けたり、
精子との受精能力を高めたり、子宮内膜に着床しやすくしたり、
男性の場合は精子の状態を改善したり、
ということになります。
西洋医学の高度生殖医療がピンポイントの攻めの治療と考えると、
鍼灸はそれがうまくいくように
縁の下から持ち上げる治療
といえます。
当然ながら、自然妊娠が可能なカップルな場合は
鍼灸のみでも十分妊娠までサポートできると思います。
不妊症と鍼灸(ハリきゅう)その10 を読む
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2015年05月03日
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