2015年04月18日

不妊症と鍼灸(ハリきゅう)その6 鍼灸の役割

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理由その2の続きです。

実は体外受精からは費用が大幅に増えます。

人工受精は例えて言うならば、お見合いのお膳立てはするけれど、あとはお二人さんの自然の成り行き任せでした。

体外受精は違います。
卵巣から卵子を採取してきて、精子を振りかけて受精させ、培養液の中で細胞分裂を確認して、受精卵(胚といいます)を子宮に移植する方法です。

つまり、高度な技術とノウハウが必要になるために、費用が跳ね上がります。
たとえば採卵費用は20〜30万円程度、受精した胚を子宮に戻す移植は5〜10万円程度、というように料金が上がります。

顕微授精という、卵子の中に一匹の精子を顕微鏡を見ながら注入する方法では、さらに5〜10万円上乗せになります。
さらに薬代や検査代などを加えると1回の費用は40〜50万円位にはなってしまうようです。

自由診療ですので医療機関でかなり料金の差があります。
その辺の情報は事前にネットで調べておく必要がありますね。
傾向として大都市圏ほど高いようです。

ホームページ記載料金は必要最低限の費用と思ったほうがよさそうです。
いろいろ追加検査などが発生すればさらにかかることになります。
実際通院した方の生の話が聞ければベターですね。

いろいろ書きましたが、ようするに体外受精の段階からはお金がかなりかかりますよ、ということはお分かり頂けたと思います。

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しかし、これだけのお金をかけるわりには、1回で妊娠できる確率が30%以下です。
この辺の数字は医療機関で結構差が大きいのですが、20%に届かない所も多いので、やはり成績の良い所は混んでいて料金も高くなる傾向があります。

ですから、

人工受精の段階で鍼灸を併用して妊娠の確率をアップさせることが、

経済的な負担を少なくする有効な手段になります。


3つめの理由は、体外受精の肉体的負担と精神的負担です。

肉体的的負担の一番は採卵だと思います。
人工受精と違って体外受精は卵巣から卵子を採取してきます。
顕微授精も同じです。

治療を受けた方々の感想はまちまちですが、やはり結構痛いようですね。
局所麻酔はするようですが…。
痛みで翌日は仕事を休む方もいらっしゃるようで、できれば採卵当日だけでなく翌日もお休みを取っておいたほうがベターでしょう。

ですから採卵は肉体的にも費用的にも大変なので、一度に複数個採取するところが多いです。
その日使わなかった卵子は凍結保存しておいて、次回以降に使用します。
それにより、何度も痛い思いをしなくてもいいし、費用も抑えられるわけです。

しかし、体外受精の負担は別の面でもあります。

たとえば通院回数です。

人工受精の場合ですと排卵日前後に通院回数が増えますが、体外受精では採卵の準備のため場合によっては毎日注射に来てくださいとか、

卵の成育状況によっては採卵日が急に早まって、明日の何時に来てくださいみたいな指示が出ることもあるようです。

とくにお仕事をされている方は、時間の調整やらで大変です。

(最近は自宅で自己注射させたり、貼り薬や座薬でホルモン補充、といったやり方の病院が増えているようです。)

だんだん肉体的にも疲れがたまってきます。
一番体調を良くしておかなければならない時期に、睡眠不足や過労で体調不良・・・、なんてならないようにしたいですね。

当然、精神的にも負担は大きくなります。
通院のための時間の工面で、職場の上司や同僚にその都度お願いをしたり、家事をする時間が足りなくなってしまったりと、そうしたことは結構、ストレスになりますね。

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ご主人の協力、職場の理解やサポートなどがとても大切になってきます。

数か月ならいいのですが、半年、1年、2年と続いてきますと肉体的にも精神的にもつらくなってきます。

鍼灸治療併用で少しでも短い期間で懐妊できれば、そうした負担が減らせると思います。


体外受精の段階でも鍼灸併用はかなり有効な方法になります。

シリーズの(その3)でも紹介しましたが
米国生殖医療学会で発表されたデータによれば

体外受精を受ける女性161人を2グループに分け、
一方には体外受精の際、受精卵を子宮に戻す前後にハリ治療を実施。
残りのグループには、ハリ治療をせず通常の体外受精を行った結果、

ハリ治療をしなかったグループの妊娠率は26%だったのに対し
ハリ治療をしたグループの妊娠率は42%まで上がっていたという。
これはハリ治療がいかに母体にとって妊娠しやすい環境を整えてくれているかを如実に示しています。


鍼灸を併用することで、人工受精の段階でも、体外受精を行う際にも成功率が上がります。
こうした事実が認知されていけば、不妊鍼灸の役割は今後さらに増してゆくものと思います。

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次回は

不妊治療の費用補助制度や高度生殖医療と鍼灸の関わりあいについて書いてみたいと思います。

不妊症と鍼灸(ハリきゅう)その7 を読む


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posted by かもめ at 16:07| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 不妊症と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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