健康寿命と鍼灸(その1)を読む
平均寿命は世界トップクラスでも、人生最後の約10年を介護や人の世話を受けて過ごしている日本の現実。
どうせ長生きをするのなら、召される少し前までは元気でいたいものですね。
そのためには何が大切でしょうか?
ポイントは
● 大病をしないように予防すること
● 持病をさらに悪化させないように体調管理をすること
このふたつだと思います。
当たり前のことですが、難しいことでもあります。
でも、あえてこのふたつが健康寿命を左右するポイントであると確信しています。
長年、鍼灸治療の現場で大勢の患者さんに接するなかでそう感じます。
そのお手伝いを鍼灸はできることが実感としてわかってきました。
症状の軽いうちに手を打って、こじらせない。
病気の芽を早く摘む。
そのためには食事の改善を考えたり、適度な運動など、自分のできる範囲での努力も必要です。
自分の体は自分で守るしかないのですから。
痛いのもつらいのも結局は自分持ち・・・、誰も代われません。
とかく健康はお医者さんが守ってくれるもの、病気は病院で治してもらうものと考えがちです。
「先生、なんとかしてください。どうか治してください。」
みたいな言い方を繰り返す方がたまにおられます。
なんとかしてあげたいと思います。
痛み、つらさを何とか楽にするのが我々の仕事ですから、当然ベストを尽くして頑張ります。
でも、最終的には自分の健康は自分で守ってゆくしかありません。
あくまで主役は自分で医療は脇役、補佐です。
ぎっくり腰とか一過性の症状であれば、不快症状が取れれば一件落着で良いと思います。
問題はベースに健康維持のうえで根本的な不具合を抱えている場合ですね。
たとえば、慢性的に血糖値が高い、動脈硬化が進んでいる、循環系に慢性の異常がある。
糖尿病や心臓病や脳卒中、肝臓病、腎不全などと病名が付いてしまっている方も・・・。
病名が付かないように予防が一番ですが、もう付いてしまっている方も悲観しないでください。
どんなに健康な方でも、頑丈な方でも、いつかは死を迎えるのです。
みな、その過程上であって道筋が違うだけなのですから、悲観することはないのです。
大切なことは、現状より少しでも、一歩二歩でも、良い状態に戻ろうと努力すること。
戻る余地もないのであれば、なんとか現状維持を図り、これ以上悪化させない、進行を遅くさせましょう。
悪いところを並べ立てて嘆くとストレスが生まれます。
けれど、まだまだできる、できていることを挙げていくと、自分の体に感謝が生まれます。
こうした気持ちを持って生活を送ることが、まずはスタートだと思っています。
鍼灸がどれくらいお手伝いできるのか・・・。
ケースバイケースですから一言では言えませんが、そういう目的で治療をされて、鍼灸治療でそれなりの効果を上げることができる、そう確信しています。
これからも縁あって来られた患者さんの、かかりつけ鍼灸師、として頼られる存在でありたいと思います。
患者さんひとりひとりの健康寿命を少しでも延ばせるお手伝いができれば、これほどうれしいことはありません。
わたしの健康寿命が尽きるまで頑張りたいと思っています。
Produced by かもめ針灸治療室
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2014年12月02日
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