前回、花粉症には微弱電流治療を併用すると効果がアップすることを書きました。
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そもそも、この微弱電流とは一体何なのかを今回は書きたいと思います。
病医院や接骨院、治療院で使う治療器はミリアンペア治療器がほとんどで、
筋肉がピクピク動いたり、トントン叩かれるような刺激を感じたりします。
微弱電流はミリアンペアの1000分の1レベルのマイクロアンペアです。
(1ミリアンペア=1000マイクロアンペア)
したがってほとんど何も感じません。
微弱電流治療がマイクロカレント療法とも呼ばれるのはこのためです。
そんな弱い刺激で本当に効くの?と思われるかもしれませんね。
実は人体は生体電流というマイクロアンペアレベルの電気信号で生命を営んでいます。
内臓であれ、骨、筋肉、血管、神経、毛髪に至るまで人体は様々な細胞の集合体です。
キロ1兆といわれますから体重60キロの方は60兆個の細胞から成り立っています。
その1個1個の細胞が正常に活動し、正常に新陳代謝を繰り返すためには栄養と酸素が必要であり、
同時に老廃物である二酸化炭素や乳酸などの老廃物を滞りなく捨てねばなりません。
細胞は膜で包まれており膜を通してのこれら物質のやりとりをしています。
物質移動をさせるためにはエネルギーというか、推進力が必要です。
そのために膜電位というものが存在していますが、それがマイクロアンペアレベルなのです。
細胞が正常に活動するためにはマイクロアンペア電流が絶対に必要だということ、わかってくれましたか?
もし、細胞レベルで損傷や病変が起きると膜電位に異変が起きます。
生体はそれを修復しようとして微弱な電流を発生させます。
これが修復電流です。
これもまたマイクロアンペア電流です。
このように生体は微弱電流で細胞レベルの生命活動を営んでいるのです。
ちょっと専門的な話になってしまいました。^^)
微弱電流治療が一躍脚光を浴びる出来事が2002年に起こりました。
日韓ワールドカップ大会でのイングランド代表、ベッカム選手の骨折事件です。
全治6週間の剥離骨折をなんと3週間で治して本大会に間に合わせ、大活躍をしました。
一部のスポーツ新聞などでは紹介されていましたが、あのとき治療に使われたのがマイクロカレント、
すなわち微弱電流治療だったのです。
微弱電流治療は開発されてまだ20年くらいと日が浅いため、まだまだ未解明の部分が多く、
それだけさらなる可能性を秘めた治療法といえます。
私自身が確認できた症例としては
@ケガの回復 Aスポーツ障害 Bアレルギー全般(花粉症、アトピー、喘息、鼻炎、主婦湿疹など)C腱鞘炎 D筋緊張性頭痛 Eフェイシャル(美顔、シミ、ニキビなど)
ですが、これからどんどん適用分野が広がってゆくと思います。
いま生後8ヶ月の赤ちゃんのアトピー治療に、小児鍼と併用して微弱電流治療を使っていますが、
無痛刺激ですので全く嫌がりませんね。
アトピーが良くなるにつれ夜泣きも減り、とても機嫌がいいそうです。
きっと痒みのせいで夜泣きが多かったのだと思います。
皮膚科で処方されている薬はステロイド軟こうなので、できれば使わずに済むようになりたい、とお母さん。
次回は
いろいろ検査しても原因不明だった症状が花粉症治療とともに消えていった、
という内容で書いてみたいと思います。^^)
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Produced by かもめ針灸治療室
2007年03月29日
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分り易く丁重に説明して下さってありがとう御座います。
ベッカム選手の骨折という実例を挙げてくださると、
とても理解し易いです。
かもめさんに教えて頂くまで、全く無知なる治療の世界でした。
そう言っていただくとうれしいです。^^)
私自身まだまだ分からない部分が多く、試行錯誤しながらの状態なんです。
けれど、やりがいがあります。
これからもよろしくお願いします。m(__)m