2006年08月27日

緊急入院顛末記(7)

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― 心筋炎?心膜炎? ドクターの言葉にホロリ ―


遅れて病室にやってきた妻は、思いのほか元気に見えた。

私 「ごめんね。びっくりした?」

妻 「そりゃあ驚いたわよ。いきなり病院からすぐ来いの電話だもん。」

私 「それであのあと、先生なにか言ってた?」

妻 「気が動転してて、なに言われたかわかんなくて…。

   すみません、メモしますんでもう一回お願いしますって言ったら、
 
   苦笑いしてた。」

メモを見せてもらうと、片言の病名や数字を書いているだけで、

2回聞いた割にはほとんど意味不明であった。(笑


そこへドクターがやってきた。


処置室では顔を見ている余裕がなかったが、病室の先生は柔和な笑顔だった。

医師 「どうですか、気分は?」

私   「痛みは変わりませんが、吐き気はなくなりました。」

胸には患者監視送信機を付けられ、点滴棒には輸液と抗生剤の袋が

ぶらさがっている。

医師 「心膜炎なら回復早いと思いますが、

    心筋層までいってると、かなり厄介です。

    先月も1人亡くなっています。」

私  「……がく〜(落胆した顔)

医師 「だいぶ忙しい仕事ですか?」

私  「鍼灸院をやってまして、今月はいつもより忙しくて…。

    特に今週はハードでした。」

医師 「過労からきたのでしょう。

    さっきの方も不規則な生活と過労が原因のようでした。」

私  「はぁ、そうですか…。」

医師 「あの状態で、ずっとガマンしていたら危なかったかもしれませんよ。」

私  「……」(ひェ〜ッ! 冷や汗がタラ〜リ。)

医師 「とにかく、しっかり休養とってください。

    徐脈がひどいのでまずは抗生物質で炎症を抑える治療をしています。

    そのあとも定期的にやります。詳しい原因は週明けになります。

    それまではとにかく安静です。」

神妙にうなずく私。


部屋を出ようとして振り返り、

医師 「鍼の先生も大変でしょう。

    治療だけじゃなく会話などにもけっこう神経を使うんでしょ?」


ニッコリ笑うと軽く会釈して出て行った。

胸の奥がジーンと熱くなったかもめであった。



― 病院 集中治療室の夜は更けて ―


それが、うるさくてなかなか更けていかない。(笑

一般病棟と違い、救命処置後の患者や手術後の人、

病状の予断許さない患者さんが多いから仕方がない。

ひっきりなしにナースが動き回っている。

窓もなく、ドアもない。

カーテンで仕切られているだけ…。

うめき声や痰がからんで苦しそうな息遣い…。

うわごとのように名を呼び続ける人…。


「寝つけなかったら、先生から薬預かってますから言ってくださいね。」

ナースは言ってくれたが頼まなかった。

明日、仕事がある訳じゃなし、CCUの夜を堪能してみるのもいいか、

などと、いたってのんきなかもめであった。(笑



夜が明けた。(窓がないからピンとこないが…。)

案外よく眠れ、朝も気分が良かった。

血圧は130に、血中酸素も99に回復している。

しかし脈拍は依然44と低いまま。

胸の痛みは半分に減って、息苦しさもだいぶ楽になっている。

午前中は爆睡(笑

午後になると痛みはほとんどなくなり、

深呼吸すると最後にズキン、とくる程度まで改善。

峠を越えた〜、と実感あり。

この様子じゃ心筋は大丈夫そう。わーい(嬉しい顔)

いたって楽天的なかもめに、優しくも厳しい天使たちの鉄槌が待っていた。


Produced by かもめ針灸治療室






posted by かもめ at 13:56| ☔| Comment(7) | TrackBack(0) | 緊急入院顛末記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
体調が悪いときの、
ねぎらいの言葉には、ほろりと来ることがありますよね。
一言で、ほろりと来る言葉ってありますね。
でもその姿にすべての人格が出て、心にしみるのですよね。
続き楽しみにさせていただいています。
Posted by サト at 2006年08月28日 17:20
私はずーっと長い間、泣いた記憶がありませんでしたが、今回は何度か泣きました。

自分がこんなにも涙もろい人間とは…。
そんな点も再発見でした。

多分、次回が最終回になると思います。
ぜひ、読んでくださいね。^^)



Posted by かもめ at 2006年08月28日 20:33
おっ、アップされてますね。

先生が先生に見てもらっているのですね(^^)
思わぬ重症で驚かれたことでしょう。
本人もそうですが、奥様の心中は察するに余りあります・・・・。

でもいい先生ですね。
先生の一言がかもめさんの治癒を加速させたと信じます。

天使たちの鉄槌!
何でしょう?

また楽しみにしています!!


Posted by おさたん at 2006年08月29日 14:57
天使たちの鉄槌?
はて何でしょう。。。。?
医師の言葉は薬に匹敵する位効き目があるんですよ。
患者側に立って親身に話を聞き、相談を受けてくれる先生って、
それだけで少し治った気がするの。
名医に出会うって運もあるのかしら…。

私もとても涙脆くなりましたね。今まで人前で泣くということは
あまり無かったんですけど、気が弱っているとポロポロ
止まらなくて、泣きまくっていました(恥)
Posted by 絵夢 at 2006年08月29日 15:30
おさたんさんへ

ドクターもナースもいい人たちで、うれしかったです。
周囲のみんなに支えられて生きてるんだなあ〜って実感しました。
エッ、気が付くのが遅い?(笑


絵夢さんへ

自分も患者さんとの会話に仕方、もっと勉強せねばと思いました。
また、入院を契機に、干した貝柱のようだった私の涙腺が、少し潤いを取り戻したのも収穫でした。(爆
Posted by かもめ at 2006年08月29日 22:28
かもめさん!おげんきですか?
無理していませんか?

ところで、おさたんさんからバトンが来たもで、かもめさんに回しました!
ゆっくりでいいので、一度やってみてくださいね(^_-)-☆
Posted by サト at 2006年09月02日 13:59
サトさんへ

お気遣いありがとうございます。
無理しないでやってます。
そのため、アップが休日にしかできず、遅れております。
ご容赦ください。(笑

あれまぁ、例のバトンですか?
実は別のルートで昨日回ってきました。
これはもうやらなあかんなぁ。
ヒマみてやりましょう。
けど、困ったなぁ、誰に回せばいいのやら…。
大体みんなやっちゃってるようだし。
隣の猫にでも回すか…。(爆
Posted by かもめ at 2006年09月02日 21:25
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