2024年10月26日

突発性難聴に朗報(6)

試行錯誤をしながら臨床を積み重ねてきて感じることは、

とにかく

早い段階で集中治療をすることでかなり治る

ということです。

とくに発症してから日が浅く、

かつ難聴の程度が比較的軽い場合は期待できます


では、期間が過ぎてしまった方は望みがないのかというと、けっしてそうではありません。

時間や回数はかかりますが、そういう方の中にも効果が出る場合があることが分かってきましたので、

希望を持って相談をしていただきたいと思います。


集中治療といっても、具体的にどれくらいの回数や期間がかかるのか、

そのへんが気になるところだと思います。


基本的には1日1回の治療を休診日を除いて毎日、

というのが望ましいと考えていますが


皆さんの状況が一人ひとり違いますので、よく話し合って治療計画を決めています。


たとえば、時間が取れる方で、予約の枠がある場合には

1日2回の治療(午前と午後)も可能です。

遠方からこられている方や、仕事の関係でなかなか時間が取れない方もおられるわけで、

症状の程度や発症後の経過日数も考えて治療計画を決めることになります。


とにかくスタート時の集中治療が成果を出す一番のポイントです。

発症して病院での治療(入院もしくは通院)で

だいたい1週間を費やします。

そして、その後の2週間がとても大切な時間です。

悩んでいる間にも時間は過ぎてゆきます。

迷っている間にも症状の固定化は進みます。

発症後、3週間以内に治療開始できれば治る可能性が増えます。

1日でも早い治療スタートの重要性を訴えたいと思います。
posted by かもめ at 09:07| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 自己紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月23日

突発性難聴に朗報(2)

前回は突発性難聴の程度と予後(治療効果の見通し)について書きました。
おおむね、次のようになります。

20〜40dB :軽度難聴  →完治が期待できます  
      
40〜60dB :中程度難聴 →かなりのレベルまで良くなることが期待できます

60〜80dB :高度難聴  →耳鳴りや耳の違和感が残るかも知れませんが、日常生活は可能なレベルまでは期待できます
            
80dB〜   :超高度難聴 →ほとんど聴こえなかったものが、雑音として聴こえるようになった        り、聴こえはするが言葉としては分かりづらいなどの後遺症が残るかもしれません

ただし、あくまでも早期に治療を開始、という前提での話です。
開始が遅れると治りも悪くなり、後遺症も残りやすい傾向があります。


今回はオージオグラムのパターンについて書きたいと思います。

オージオグラムというのはオージオメーターという検査機器で聴力検査をして結果をグラフ化した図をいいます。
ひとくちに突発性難聴といっても、低音が聴こえないタイプ、高音域に障害が出ているタイプなどがあります。

(低音域障害タイプ)
オージオ低音障害例.jpg横軸は音の高低(周波数Hz)で右にゆくほど高い音です。
縦軸は音の強さを表していて、20dBより上にあれば正常です。下にゆくほど聴こえにくい状態を示しています。
この図では低音側の聴こえが悪い、すなわち左下がりパターンです。

(高音域障害タイプ)
オージオ右下がり.jpgこの図では右に行くほど聴こえが悪い右下がりパターンで、高音の聴こえが悪いタイプです。
経験的に低音域障害より高音域障害のほうが治りにくいかな、という感触を持っています。

(中音域障害タイプ)
オージオ谷型.jpg突発性難聴の中でも一番日常生活で辛いのがこの谷型パターンだと思います。
低音域や高音域はさほどひどくなく250〜4000Hzの中音域が聴こえないパターンです。
500〜2000Hzは言語帯域と呼ばれ、人間の音声の大部分がこの波長帯なために会話が聞き取れないのです。

(低音域、高音域障害タイプ)
オージオ山型.jpg谷型と反対に言語帯域の500〜2000Hzは聴こえるが、低音域、高音域が難聴の山型パターンです。
普通の会話はできますが職業柄、たとえば音楽関係のお仕事をされている方には支障が大きいと思います。
また耳鳴りや音のこもる感じなどの違和感が谷型より強い傾向があります。

オージオグラムは医療機関でお願いすればコピーをもらえます。
どのタイプかを知ることで多少なりとも不安の低減に役立つと思います。
posted by かもめ at 20:15| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 突発性難聴に朗報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月04日

爪もみ療法

爪の生え際に井穴(せいけつ)というツボが存在していて、

ここを刺激すると様々な病気に効果があることが分かってきました。

今回はそれを応用した「爪もみ健康法」を紹介します。


現代社会はストレスが多く、自律神経が緊張モードに傾いたままの生活が増えています。

これにより免疫をつかさどる白血球中の顆粒球、リンパ球の比率が崩れ、

体内に活性酸素が大量に放出されることにつながります。


初期のうちは原因不明の不定愁訴ですが、

この状態が長く続くと粘膜や血管、内臓に至るまで全身に影響が及んできます。

最近の研究で自律神経の乱れは単に自律神経失調症や更年期障害だけでなく、

ガンや脳卒中、心臓病を初めとする生活習慣病の原因にもなることが分かってきました。

鍼灸治療は自律神経の乱れを改善する効果がありますが、

特に井穴刺激は自律神経をリラックスモードに導き、安定させてくれることが

近年、科学的にも証明されてきました。

(逆に緩みすぎている場合には、適度な緊張状態に戻します。) 


爪もみはいつでもどこでも簡単にできる井穴刺激です。

(免疫学研究で有名な、新潟大学の安保先生を中心とするグループが提唱)


(やりかた)  写真のように爪根の横を少し痛いくらいの強さで3〜5秒間圧迫します。

爪もみ.jpg

指腹でもいいですが爪先のほうが少ない力で刺激を与えられます。

足が冷える方は足の指もやるといいでしょう。毎日続けると効果が出てきます。
posted by かもめ at 09:44| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ツボ療法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

自律神経失調症のツボ療法

原因不明の不快な症状で困っている方、いませんか?

たとえば、動悸がする、 寝つきが悪くなったり、 眠りが浅くなった。
     
顔がほてったり、のぼせたり、暑くないのに汗をかく。
     
ちょっとしたことでイライラしたり、時々わけもなく不安を感じてしまう。
     
病院で検査を重ねるが、異常は見つからない。
     

こうした症状は更年期障害とか不定愁訴とも呼ばれ、とくに40代以降の女性に多いのですが、最近は男性にもあることがわかってきました。

病気じゃないから気にするな、という医者も多いのですが、当人はつらいものです。

ツボ療法を試してみたらどうでしょうか?

使用ツボ:3点(4ヶ所)
    (1)百 会(ひゃくえ)
    (2)内 関(ないかん)
    (3)足 心(そくしん)

この4ヶ所を今回は手作りのハリをつくってやってみましょう。

@百会
hyakue.gif.jpg
頭の中心線と左右の耳の先端を結んだ線が交わった所から、少し後ろ側で凹んだ所

A内関
naikan.gif.jpg
手首を内側に曲げるとシワができます。そのシワの中央から肘に向かって5cm位の所。(左右2ヶ所あり)

B足心
sokusin.gif.jpg
足底の中央部。

ハリの作り方

つまようじ10本位を輪ゴムでしっかりと束ねます。

やりかた

ようじの先でチクチクとほんのりと赤みが出るくらいまで行います。
足心がくすぐったい方は指や棒での指圧でもよいでしょう。

※自律神経失調症は症状の出方に個人差があり、パターンが多様です。

どうしても改善が見られない場合は専門家の治療をおすすめします。
posted by かもめ at 09:21| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ツボ療法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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