2007年から本格的に開始した突発性難聴の鍼灸治療は16年目に入りました。
完治した方、かなり改善が見られた方の総数は200名を超えています。
私自身も突発性難聴を実際に経験しました。
幸いにも、病院にも行かず鍼灸だけで治ってくれました。
その時には、この治療を知っていて、また携わっていて、本当に良かったと思いました。
最近では突発性難聴の治療を行う治療院がだいぶ増えて、ネットで検索をすればたくさん出てくるようになりました。
病院での治療で治らなければあきらめるしかなかった頃と比べ、鍼灸という選択肢が増えたことが認知されつつあります。
とてもうれしいことです。
ただ、心配な思いもあります。
過度の期待を抱かせるサイトもけっこう見受けられるからです。
長年の経験から、この病気はそう簡単にどんどん治るものではないのです。
ケーバイケースなのですから・・・。
治りやすいケース、治りにくいケースが厳然と存在します。
そのへんをきちんと初診時に伝えてから治療をスタートすることが大切と思います。
そのためには患者さんの状態把握をしっかり行い、わかりやすい言葉で治療方針や治療の成果予測を伝えてあげることが大変重要と考えます。
耳の中がどういう構造になっているのか、解剖学的に、生理学的に患者さんがわかる言葉で説明できることが求められます。
このシリーズでは治りやすいケース、治りにくいケースはどこで決まってくるのか、治療効果を少しでもアップさせるためのセルフケアなどもお伝えしてゆこうと思います。
突発性難聴は今でも毎年35000人ほどが発症し、病院の治療で完治するのは知するのは3割の10000人ほどです。
治りきれなかった25000人の中から一人でも多くの方を救うためにも鍼灸は有効な手段です。
そのためにこれからも微力を尽くしたいと思います。