2017年04月19日

突発性難聴の鍼灸医学的分類(3)

症例

<腎虚(じんきょ)が主因の突発性難聴>


29歳 Bさん 女性 主婦

症状 
    @左耳難聴 とくに朝が調子悪い
   A低い音が聞き取りづらい
   Bときどき頭痛 そのさい軽いめまいがする時がある


状況 1か月前に左耳に発症
   1週間後に近くの耳鼻科受診
   中程度低音域難聴との診断で通院治療
   ステロイド点滴およびビタミン剤と血流促進剤を1週間服薬するも効果見られず
   (※ 発症前、旅行先で寒い思いのあと風邪をひいた。なお9か月前に出産あり。)

既往症 中学時代にメニエール病を発症(服薬治療で治癒)
     花粉症

問診 主訴以外には
   冷え症 とくに足が冷えてつらい、むくみやすい、腰に重い痛み、
   冷飲物を好む、ときどき動悸、疲れやすい、だるい 肩コリ

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舌診 全体的にはれぼったく舌の辺縁に歯型がみられる
   舌そのものは淡紅色

脈診 腎経、肝経の脈が沈みがちで弱い 脈拍の乱れは少ない

腹診 全体的に冷たく臍下(へその下)の張りが弱い
   へその左横に圧痛あり 

経過 初回の治療翌日は軽いめまいと耳鳴りも出て不安だった。
   翌々日になって、それらは消失。
   2回目の治療時の腹診で、へその左横の圧痛半減
   舌の歯型も減、尿回数増えてむくみが少し楽と。

   7回治療後から朝の聴こえづらさが解消され、
   10回治療後に聴力検査を実施。
   250Hzが50→40dB、500Hzが40→30dB、
   1000Hzが35→25dBとそれぞれ改善

   21回治療後の検査で250Hz以外の数値が20dB以内となり完治
   月1回のフォロー治療を1年間実施して終了

考察 Bさんの場合はもともと腎経が弱い「素体腎虚(そたいじんきょ)」体質がベースにあり、
出産により腎虚状態が強まり、さらに旅行で寒い思いをしたのがこたえたようです。
ハリ治療と並行して食事の改善や体を冷やさない生活を心がけていただきました。

聴力の回復につれて、便秘、肩コリ、腰痛も改善がみられました。
腎虚は誰でも年齢とともに進みますが、
Bさんのようなもともと体質的に弱い方は注意が必要です。

Produced by かもめ針灸治療室

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posted by かもめ at 16:23| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 突発性難聴と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする