2018年04月17日

不妊の鍼灸医学的分類(6)脾胃不足

(症例)脾胃不足 (ひいふそく) による不妊

Eさん 30歳 専業主婦
結婚4年 不妊歴3年
自然妊娠希望
通院歴なし

体の状況    
   身長156p 体重41sと、かなり痩せ体型
   BMI 16,8(身長に対する体重の割合。標準値18,5〜25未満)

CHNU013.jpg

 




    食が細く、食べ過ぎると下痢しやすい 食後眠気が襲う
   疲れやすく慢性的にだるい げっぷが多くおなかが張る
   めまいやふらつき、月経不順、基礎体温も低め
   動悸、息切れ 冷え性

舌診
   白薄苔 血の気の薄い痩舌 

脈診
   やや遅脈で沈細弱

腹診
   全体として力なく弱い、特に下腹部が軟弱
   上腹部に圧痛ヶ所あり
   
治療と経過
   消化器系の働きを高める治療を加えた
   2年たった現在、BMIが18,2まで改善している
   基礎体温も0,2°上昇し、疲れにくくなった
   通院していないのでホルモン値などの数値変化は不明であるが、
   改善してきているように思われる
   あと1年くらいは自然妊娠をめざしたいとのこと  

考察

   実はEさんは小学、中学時代は肥満児だったそうです。
   高校生の時過激なダイエットに走り、拒食と過食を3年間繰り返した経緯があり、
   それがきっかけで消化器系がうまく働かなくなったようです。
   その結果、ホルモン代謝や分泌が乱れ不妊体質になっていたと思われます。

CHNU023.jpg








   Eさん以外にも、スポーツ競技のために無理な減量をして体調を崩し
   不妊治療に来られた方がいました。
   脾胃不足は生まれつきの体質から来ている方が多いですが、
   こうした過激な減量も原因になるようです。

   肥満も不妊リスクを高めることがわかっています。
   適正な体重を保つことも妊娠のために効果があります。


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posted by かもめ at 20:33| 神奈川 | Comment(0) | 不妊症と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月31日

不妊の鍼灸医学的分類(5)血瘀

(症例)血瘀 (けつお) による不妊

Dさん 35歳 会社員
結婚6年 不妊歴6年
体外受精での妊娠希望
通院歴 3年半

体の状況
    生理痛がひどく、毎周期、鎮痛薬服用    
    頭痛、肩コリ、腰痛、最近は膝も少し痛い
    肩コリがひどくなると肩甲骨や首も痛くなる
    便秘がちで便秘薬を常習
    
    経血はどろりとした塊りが出ることが多い
    周期の乱れはなく、排卵もきちんとある
    人工授精8回、体外受精5回(うち、顕微授精2回)するも妊娠せず
    通院に疲れたので、やめて体を休めている

    仕事が営業チームのリーダーでストレスが多い
    この2年で体重が6s増加 休日や夜間に過食してしまう
    タバコはやめていたが、不妊治療のストレスや
    仕事のストレスで週3〜4本吸ってしまう
    お酒が好きでかなり強い

CHEX005.jpg







舌診
  全体に赤黒く、所々に青紫の小斑点あり
  舌の裏側の静脈も青黒く太くやや浮き上がり気味

脈診
  いっけん力強い脈だが渋脈でやや弦脈(特に肝と心)

腹診
  全体的に硬く、強めに押すと数か所痛みあり

治療と経過
   血液状態があまり良くない様なので聞いてみると、
   中性脂肪やコレステロール値がやや高めとのこと。
   (薬のむほどではないとのこと)

   全身の血流改善の治療とともに
   食生活を含めた生活全般の見直しをしていただいた。
   徐々に体調がよくなり、半年後の血液検査でも改善が見られた。

   初診から9カ月後の体外受精で妊娠。

CDGY006.jpg






考察    
  血瘀というのはわかりやすく言うと「ドロドロ血液」の状態です。
  原因はいろいろあり、現代人に結構増えている病態です。
  こういう状態になりますと全身の血流状態が悪化しますので、
  不妊原因のなかでも着床がうまくいかない原因になります。

  Dさんは生活習慣の見直しにも積極的に取り組んでいただき
  体重も5s減量でき、標準体重に入ったことも良かったと思います。
  過度のストレス、喫煙、過度の飲酒、睡眠不足、肥満なども
  不妊要因になります。

  体外受精を成功させるためにも、着床がうまくゆく体づくりも大切です。
  最後に、Dさんには不妊クリニック転院をアドバイスしたことも結果的に
  良かったかなと思います。
  クリニックとの相性面でも少し問題があるようでした。

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posted by かもめ at 08:09| 神奈川 | Comment(0) | 不妊症と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月29日

不妊の鍼灸医学的分類(4)気血両虚

(症例)気血両虚 (きけつりょうきょ) の不妊

Cさん 29歳 専業主婦
結婚5年2ヶ月 不妊歴2年
自然妊娠希望
通院なし

体の状況
   疲れやすく慢性的にだるさあり
   ときどきめまいやふらつきあり
   貧血、冷え症、動悸、浅眠、風邪をひきやすい
   食欲弱く、食べ過ぎるともたれる
   爪がもろく、割れやすい

舌診 
   色がやや白っぽく、舌体が薄い
脈診
   全体的に脈状は沈んで弱い
腹診
   全体的に張りなく、特に臍下に力なし

CHTI037.jpg





治療と経過
   胃下垂気味で、幼少時から虚弱体質とのことで
   気血両補(きけつりょうほ)の治療も加えながら、
   生活面では1日30分のウォーキングや体操、
   ストレッチングを続けてもらった。
   1年2カ月後に妊娠。   

考察
   当初、基礎体温も低めで2相化も明確でなかった(排卵も有ったり無かったり?)が
   9ヵ月ごろから状況の改善が見られたので不妊クリニックで検査をすすめた。
   AMH値が年齢の割に低く、卵子の発育も弱いことから体外受精に変更。
   採卵を2回実施し、3回目の体外受精で妊娠に成功。

   幼少から虚弱体質で食も細く体力不足が認められたので
   軽い運動で筋力をつけてもらったのも良かったと思います。
   当初は自然妊娠にこだわっておられましたが、
   この方の体質改善には長い時間がかかることから、体外受精に変更して頂き
   それが結果的に早道になったと思います。
   

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posted by かもめ at 18:29| 神奈川 | Comment(0) | 不妊症と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月26日

不妊の鍼灸医学的分類(3)肝気鬱血

(症例) 肝気鬱血  (かんきうっけつ)  の不妊

Bさん 34歳 会社員
結婚4年9カ月 不妊歴4年
体外受精希望
通院歴7ヶ月(不妊専門病院)

体の状況
    この2ヶ月間生理なし。生理不順がひどい。
    不妊専門病院で体外受精をめざしているが、なかなか良い卵に育たず採卵できたのは2回だけ。
    移植3回したが、妊娠に至らない。

    日頃からイライラ感があり、不眠、不安感、夢をよくみる。
    肩コリと目の疲れ、目の奥が痛い、疲れやすい
    冷え性と脚のむくみ、便秘と下痢を繰り返す
    たまに胸痛あり(一過性で軽い) ため息が多い

CHTI035.jpg
    







舌診
  全体的に血色悪く、舌の先端が赤い
  舌の横側に行くほど色が青黒く、舌の中央に亀裂が少しあり

脈診
  一見元気よい脈だが、肝と心の脈に緊張が感じられる
  腎の脈は弱い

腹診
  みぞおちから右の肋骨下にかけてが張りが強い
  押されると不快感少しあり(上腹部全体的に)
  

治療と経過
イライラが強いので病院の先生に相談し漢方薬も出してもらい、
鍼灸も疎肝理気(強く張っている肝の気を鎮め、気のめぐりを改善させる)を主眼に治療を継続。
治療開始して1年2カ月目で妊娠。

考察
この方は典型的な肝気鬱血タイプです。
パワハラ上司による長年のストレスでメンタル面の疲労蓄積が大きな原因でした。
強いストレスは交感神経を緊張させ全身の血流を悪化させます。

イライラしやすい、いやな夢を繰り返し見る、食欲が異常に亢進して止まらなくなる、
などの症状が複数ある場合はストレスから来ている場合があります。

この方は幸い、この上司が転勤してからストレスも徐々に軽減し、
鍼灸治療と漢方薬も併用したのが効いたようで、妊娠することができました。

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2018年03月19日

不妊の鍼灸医学的分類(2)腎虚

(症例)腎虚 (じんきょ) の不妊

Aさん 33歳女性 会社員 
結婚5年6ヵ月 不妊歴3年 
自然妊娠希望  
通院歴10ヶ月(総合病院婦人科)

体の状況
  冷え症がひどく冬はよくしもやけになる
  疲れやすく肩が凝ってつらい、夕方足がむくむ
  便秘がちで尿の出も悪い
  花粉症と耳鳴りが少しある、イライラしやすい
  月経周期30〜33日 生理痛軽い

舌診
  舌の色が赤み少なく、むくんで歯型がついている
  舌の中央に白苔多し

脈診
  脈は全般に弱く沈んで、特に尺脈(腎脈)沈細

腹診
  右の肓兪(こうゆ)、左の大巨(だいこ)に硬さあり

治療と経過
   この方は腎虚メインで、肝気うっ血も混在しているので
   状況に応じてツボを選びながら治療を進めた結果、
   徐々に冷え性等の体調が改善し、治療開始後2年3カ月で妊娠。

IP08_I04.JPG  

考察
  腎虚が主因の不妊は全体の約7割を占めます。
  Aさんは典型的な腎虚症で慢性的な冷えを改善するために
  職場での冷え対策と食事の改善もしていただきました。
  しもやけも出なくなり尿の出も良くなり基礎体温にも変化が出て妊娠に結び付いたものと思います。
  自然妊娠が希望でしたので時間はかかりましたが結果が出て本当に良かったです。

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2018年02月06日

不妊の鍼灸医学的分類(1)

平成27年に山村式不妊鍼灸を導入した当治療室の不妊治療は年々よい結果が得られるようになってきました。

不妊の一番のネックは年齢であることは動かしようのない事実ですが、年齢以外の要因も存在します。

それらを鍼灸治療に応用し、タイプ別に分類をしてツボの選択を少し変えてみることによりさらに成果が向上することがわかってきました。

不妊で悩んでいる方、困っている方が少しでも早く妊娠できるように、これからもお手伝いをしてゆきたいと思います。

不妊症と鍼灸 その9 東洋医学からみた不妊症

にも関連記事を書いていますのでそちらも参考にどうぞ。


まず、不妊の鍼灸医学的分類です。
細かく分類してゆくと10以上になりますが、ここでは多い順から5つにとどめます。

@腎虚 (じんきょ) :腎気虚(じんききょ)や腎陽虚(じんようきょ)を含む

A肝気鬱血 (かんきうっけつ)

B気血両虚 (きけつりょうきょ) :素体虚弱 (そたいきょじゃく) を含む

C血瘀症 (けつおしょう)

D脾胃不足 (ひいふそく)


※この分類は専門家からすると少し問題ありと指摘されるかもしれませんが、一般の方にわかりやすいようにあえて行いました。


@の腎虚のタイプは、ひどい症状はないが疲れやすく冷えに弱い etc

Aの肝気鬱血タイプは、日常的にストレスやイライラが多い etc

Bの気血両虚タイプは、朝に弱くヤル気が起きない、体がだるい、重い、寒がるetc

Cの血瘀症タイプは、一見元気だが体調に波あり。頭痛、生理痛などが強い etc

Dの脾胃不足タイプは、消化器系が弱く疲れやすい。軟便、下痢が多い。浅眠傾向 etc

これらはあくまで典型的なパターンです。

個人的な経験から共通することが多い特徴を挙げています。

実際にはこれらがいくつも混在していることが多く単純には分類が難しいケースが多いです。

次回から実際の症例を挙げて述べていきます。


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posted by かもめ at 15:17| 神奈川 ☀| Comment(0) | 不妊症と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月02日

インフルエンザが大流行!対策の基本は?



年が明けて早1ヶ月。
この冬は例年より寒さがかなり厳しいせいか風邪やインフルエンザが猛威をふるっています。
今回は「効果的な手洗い、うがいの方法」についてです。

1日5回以上手洗いをする人は風邪を引く可能性が45%減少するというデータがあります。

流水でさっと洗うだけでもよいのですが、人混みや病院など感染リスクの高い場所から帰宅した際には丁寧に洗いましょう。
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石鹸などの界面活性剤は付着したウィルスを落としやすくします。泡立てながら15〜20秒かけて手の甲や指の間、指先、爪、手首まで洗うことがポイントです。

洗う際には流水で行ってください。基本的に石鹸は菌やウィルスを殺せませんから、洗面器などのため湯、ため水では再付着する可能性があり効果が半減します。

うがいも数回に分け、口の中とノドの奥というように分けておこなうと効果が上がります。ウィルスは口を経由しての感染よりも鼻孔を通っての感染が多いので鼻うがいを併用するとさらに効果がアップします。

CHPR008.jpg

鼻うがいは1日1回、帰宅後や就寝前がおすすめです。
正式には鼻から入れた水を口から出すことによって鼻腔内と咽喉部の付着ウィルスを洗い流すわけですが、コツが要りますので難しい方は鼻の中のすすぎだけでもいいと思います。

専用の器具と洗浄水が薬局でも売られています。
私が使っている器具です。↓

IMG_0162.JPG







洗浄水は水道水でもいいのですが塩分がないために鼻腔の奥でしみます。1リットルの水に9グラムの塩を溶かした食塩水で洗うと痛くなりません。

このほかにも加湿器を使うことやマスクを着用することなども大切ですが、体内に入るウィルスをゼロにすることはできません。
一番大切なことは免疫力をしっかり保つことだと思います。
そのためにはきちんとした食事と十分な睡眠が基本ですね。
私も心がけてこの冬を乗り切りたいと思います。

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posted by かもめ at 14:23| 神奈川 ☔| Comment(0) | 医学全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月09日

両耳難聴や失聴の方、「こえとら」を知っていますか?

突発性難聴の治療を受けに来られる方の中には、両耳が聞こえない方がおられます。

突発性難聴はたいがい片方の耳に起こります。
以前から片耳の聴力を無くしていた方が、良い方の耳に突発性難聴が起きて失聴されたケースが多いです。

突然こうした状況に陥ったわけですから周囲とのコミュニケーションの大変さは想像に難くありません。

当然ご本人おひとりでは来られませんから、必ずだれか同伴の方と一緒においでになります。

問診も治療も同伴の方が間に入って身振り手振りや紙に書いたりしてなんとか進めていくことになります。

なかなか大変な作業で、患者さんも結構疲れると思います。

実は最近、こえとら というアプリを見つけました。

国立研究開発法人である情報通信研究機構が開発したアプリで、無料でダウンロードできます。

スマホやタブレットに向かって話すと、画面に文字として出てきますのでとても便利なツールです。

失聴されて、これからどうやって周りとコミニュケーションをとっていこうか、という方に是非知っていただきたいと思います。

人工内耳の手術を検討中の方、これから手話をマスターしていこうと考えている方もいらっしゃると思いますがこのツールも併用することで、より楽にコミニュケーションが取れると思います。

お困りの方は一度試してみてください。

アンドロイド用アプリ

アイフォン用アプリ

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posted by かもめ at 14:25| 神奈川 ☁| Comment(0) | 突発性難聴に朗報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月30日

突発性難聴の鍼灸医学的分類(5)

症例 

血虚(けっきょ)が主因の突発性難聴


35歳 Dさん 女性 主婦

症状 
    @左耳の突発性難聴(中音域)
    A耳閉感(耳の奥が塞がっている感じ)
    B自分の声が耳の中で響いて不快

状況
    朝起きた時に左耳の奥が塞がる感じがした
    かかってきた電話で左耳の異変に気付いた
    その日の午後に耳鼻科受診 突発性難聴と診断

    30〜40dBの軽度難聴だったのと授乳中だったので通院治療になった
    ステロイドは使わず、ビタミン剤と血流促進剤の点滴を1週間実施。
    効果がいまいちだったので高圧酸素療法を併用するもパッとせず来室。    
 
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既往歴 特になし

問診  主訴以外では
    @子ども2人(6歳と1歳の男児)、下の子はまだ授乳中
    A幼少のころから耳が弱く、風邪引くとよく中耳炎を起こした
    B若いころから生理不順と貧血 
    C慢性的に不眠、動悸、指先のしびれ
    D顔色がやや青白く、皮膚が乾燥しやすい

生活面での特記事項として
   @食が細く、食べ過ぎるともたれてつらい
    A20代前半まで会社勤めをしていたが、原因不明のめまいで退職

舌診
   舌は薄くやや白っぽい色
   舌の中央に縦長の亀裂あり

脈診 全般的に弱く、とくに腎の脈が沈んで細い

腹診 へその下の皮ふ弾力が弱い
   全体的に張りが無くカサカサしている感じ
   冬はあちこち強いかゆみが出る

経過 初回の治療後、帰宅途中は耳閉感や反響音の改善を感じた
   翌朝、耳閉感はなかったが反響音がまた出ていた
   特に台所や浴室の換気扇の音が不快に感じる
   
   10回の集中治療のあと、聴力測定の結果500Hzと1000Hz以外は正常値に入った。
   右耳に比べると電話での会話が少し聞き取りにくいが日常的には不便なし。
   
   11回目からは週2回に治療ペースを落として2ヶ月間実施。
   徐々に換気扇の音も気にならなくなったが、寝不足したり疲れた時に軽いめまいや動悸あり
   ご主人の転勤のため治療は計22回で終了した。
   セルフケアを毎日やることと貧血を改善するための生活上のアドバイスを行った。

考察 貧血がベースになっている突発性難聴が女性でよく見られるます。
   東洋医学では血液が不足、すなわち「虚(きょ)」の状態ということで「血虚(けっきょ)」といいます。
   血流量が不足したり、量はあっても貧血状態の血液でも起こります。

   Dさんの場合、血流の悪さと血液状態の貧弱さの両方により突発性難聴が起きたと考えられます。
   もともとの貧血体質に加え妊娠、出産、産後の睡眠不足やストレスで発症したものです。
      
   胃腸も虚弱で食事も少量しか摂れないので、耳の治療に加え胃腸の働きを改善させる治療も
   並行して行いました。
胃下垂の改善のため、短時間でも運動を毎日心がけるようにアドバイスをしました。

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  定期的に血液検査をしながら場合によっては栄養剤や鉄剤の点滴も有効です。
  耳の治療については引越し先で継続されてもいいし、セルフケアでも多分大丈夫と思います。

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posted by かもめ at 19:33| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 突発性難聴と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月27日

突発性難聴の鍼灸医学的分類(4)

症例

〈血瘀症(けつおしょう)による突発性難聴〉

46歳 Cさん 男性 会社員(営業)

症状
   @右耳難聴(全音域高度難聴70〜80dB)  
   Aめまい(浮遊感)   
   B耳鳴り(サーッという小さめの音)  
   C閉塞感(物を詰められている感じ)

状況 
   発症前日、右耳の奥にツーンとした閉塞感あり。それが夜になって抜けなくなった。
   翌日午前中、右耳が聞こえていないことに気付いた。 
   耳鼻科受診の結果突発性難聴と診断。
   検査を受けている間にめまいと吐き気に襲われて総合病院に入院を勧められた。 
   9日間入院し、ステロイド点滴と血流促進剤、ビタミン剤投与するも改善なく退院。
   退院後、ネットをみて来室。(発症13日目)

既往歴 
   特にないが、この数年、会社の健診で高脂血症と肝機能の数値が高い。
   治療はとくにしていない。
    
問診
   主訴以外では
   @立っているとフラフラ、浮遊感少しある
   A右肩が発症前ひどく凝って、もむと痛いので湿布を貼っていた

生活面、食事面、嗜好品について
   5年前に離婚。食事は外食が多い。
   アルコールは強くはないが、好きでよく飲む   
   タバコ喫煙本数 1日15本

舌診
   舌色は赤黒く、汚斑が点在
   舌苔は黄色くべったりとして、所々剥離あり

脈診
   心、肝の脈が浮いてやや強し
   腎の脈は沈んで弱し

腹診
   右わき腹から肋骨にかけて圧痛あり
   みぞおちから中脘部にかけて不快感あり

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経過
   初回治療後、めまいがひどくなり不安だったが、翌日治まった。
   10回までは集中治療を実施。
   集中治療後半にはふらつきや頭痛、肩の痛みが半減した。
   15回治療後、聴力検査の結果は平均10dB程度改善。
   28回治療後は50〜60dBの中程度難聴まで改善するも耳鳴りと耳閉感は続いている。

考察
   Cさんは比較的早い段階で治療開始されたので
   もう少し改善できるかなと思っていましたが、やや厳しい状況が続いています。
   入院中の聴力はスケールアウト状態だったので、障害の程度が大きかったのだと思います。
   ※ スケールアウトとは聴力測定不能のことです

   東洋医学的には、瘀血(おけつ)による血行不良が原因と考えられます。
   瘀血というのは、よく言われる「ドロドロと粘っこい血液」の状態です。

   Cさんの瘀血は会社の健診結果ではひどい状態ではなかったように思えますが
   耳に栄養と酸素を運ぶ血管は細く、バイパス血管がありません。
   今回は過労、睡眠不足などいくつかの要因が重なって血流が滞ってしまったのだと考えられます。

   突発性難聴治療と並行してCさんには生活面、食事面の見直しにより、
   瘀血の改善に取り組んでいただいています。

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   今回は突発性難聴という形で耳に症状が出ましたが、血液状態の悪さは全身に影響を及ぼします。
   ガンや脳卒中、心臓病、糖尿病などのやっかいな病気にもつながることをお話し、
   具体的な改善方法などもアドバイスをさせていただきながら治療を続行中です。

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posted by かもめ at 19:18| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 突発性難聴と鍼灸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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